『青天を衝け』あれこれ「栄一、怒る」2021-03-09

2021-03-09 當山日出夫(とうやまひでお)

『青天を衝け』第4回「栄一、怒る」
https://www.nhk.or.jp/seiten/story/04/

前回は、
やまもも書斎記 2021年3月2日
『青天を衝け』あれこれ「栄一、仕事はじめ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/03/02/9352146

士農工商というが……これまでドラマで描かれてきた幕末・明治維新は、主に「士」の視点によるものであった。それを「農工商」の視点で描こうとしているのが、今回の『青天を衝け』になるのだろう。

栄一の家は、藍づくりの農民である。藍の商いをする商人でもある。また、その藍をつかった藍玉の製造、それから、最終的には、藍染めの職人の仕事まで、そのビジネスの視野にはいっている。まさに「農工商」にかかわっているといってよいだろう。

その栄一の視点からみて、幕藩体制というのは、理不尽のきわみでもある。藩の上納金を命ぜられれば、言うとおりに払うしかない。抵抗することは許されない。この栄一にとって、幕末の尊皇攘夷運動、さらには討幕の動きというのは、どのように映ることになるのであろうか。

さらには、近代国家となった日本における、商業のあり方に、栄一は深くかかわっていくことになるはずである。

一方、慶喜の方はというと、英明な一橋家の主という印象である。その側につかえることになった円四郎と、なんとかうまくやっているようだ。ここで印象に残っているのは、「争臣」ということばである。現代の政治に対する、批判的視点であろう。

この最後の将軍と、栄一の生涯がどのように交わることになるのかが、これからのこのドラマの見どころといっていいのだろうと思って見ている。

次週、安政の地震のことになるようだ。開国することになった日本は、いよいよ幕末の動乱の時代を迎えることになる。楽しみに見ることにしよう。

2021年3月8日記

追記 2021-03-16
この続きは、
やまもも書斎記 2021年3月16日
『青天を衝け』あれこれ「栄一、揺れる」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/03/16/9357551

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