『戦争と平和』(一)トルストイ/望月哲男(訳)光文社古典新訳文庫2021-11-20

2021-11-20 當山日出夫(とうやまひでお)

戦争と平和(1)

トルストイ.望月哲男(訳).『戦争と平和』(一)(光文社古典新訳文庫).光文社.2020
https://www.kotensinyaku.jp/books/book316/

『戦争と平和』は、若いときに一通り読んだかと思う。それを、年をとってから、再度、読みなおしている。これまでに新潮文庫版、岩波文庫版と読んだ。

やまもも書斎記 2016年9月9日
トルストイ『戦争と平和』
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2016/09/09/8175825

やまもも書斎記 2020年4月18日
『戦争と平和』(一)トルストイ/岩波文庫
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/04/18/9236539

光文社古典新訳文庫でも、新しい訳が刊行になって、全巻が完結したので、これも読んでみることにした。訳が変わると、また印象も変わってくる。

しかし、思えば、『戦争と平和』もずいぶんと読みやすくなったものである。岩波文庫版には、各巻に登場人物の一覧、解説がついている。また、光文社古典新訳文庫版には、しおりに登場人物が系図として載って一覧できるようになっている。これは、ありがたい。

むかし、若いとき、『戦争と平和』を読んで難渋したのは、とにかく、登場人物の関係がわかりにくいことである。また、(これは私がものを知らないだけなのだが)ロシアとナポレオンとの戦争の経緯が、今一つ理解が及ばなかったところがある。

それが、今の訳本だと、登場人物一覧がついているし、また、解説としてその当時の時代背景などについて解説してある。これなら、どうにか読んでいける。

第一巻を読み終えたところであるが、思うこととしては……今回、望月哲男訳で読んでみて、印象に残るのは、ロシア貴族たちの、それぞれの家庭の事情というものである。このあたりは、読んでいてなるほどなあと興味深く読むことができた。以前に読んだときには、あまりに登場人物が煩雑で、どのファミリーのことを語っているのか分からずに読み進めたものである。それが、新しい訳だと、系図の形で登場人物が整理して示してあるので、どの家のことを読んでいるのか、分かりやすくなっている。

後期の授業が始まった。COVID-19の影響はあるというものの、教室での授業である。時間のあるときをみて、とにかく『戦争と平和』を読んでみたいと思っている。世の中が落ち着かないときには、こういう大きな作品をじっくりと読むのことができるかと思う。

2021年10月9日記

追記 2021-11-27
この続きは、
やまもも書斎記 2021年11月27日
『戦争と平和』(二)トルストイ/望月哲男(訳)光文社古典新訳文庫
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/11/27/9443468

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