「それぞれの、園長さん。」2024-10-04

2024年10月4日 當山日出夫

ウチのどうぶつえん それぞれの、園長さん。

現在、動物園とか水族館の役割は、大きく変わってきている。

一つには、種の保存につとめること。できるなら繁殖をこころみ、また、他の動物園と協力して、遺伝的多様性を保つことも求められる。

二つには、動物を、本来の自然環境に近い状態で飼育し展示すること。来園したお客さんに、どのような自然環境でその動物がが生きているのかを実感してもらえるようにすること。

このような方向に向かってきている。

背景には、近年になってから、地球環境への関心のたかまりということもあるにちがいない。旧来の動物園から、変わろうとしている。

この回では、三人の動物園の園長さんをとりあげていたが、どの人もしかるべき方針のもとに仕事をしている。なかでも、最後に出てきた、故・佐藤哲也さんの功績は大きなものがあるのだろう。たぶん、動物園の業界のなかでは知られていても、このような取り組みを始めて実践した人がいたことは、たたえられ、また、その精神を継承していくべきことだろう。

ところで、番組のなかで「シートン動物記」の名前が出てきていた。私の年代なら(昭和三〇年生まれ)子どものときに読んだ本である。今から思えば、それは、児童向けにさらに縮約されたバージョンだったかと思うのだが。これは、今では、もう読まれないものになってしまっている。このあたりの事情については、光文社古典新訳文庫の『野生の呼び声』の解説を読んで知ったことでもある。動物を擬人化して、人間の感情で見るということは、もはや時代の流れではないことになるかと思う。動物の出てくる本ということでは、光文社古典新訳文庫『黒馬物語』は買ってあるのだが、まだ読んでいない。これも、子どものときに読んだ本の一つである。

2024年10月1日記

「香港を諦めない 雨傘運動から10年」2024-10-04

2024年10月4日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー 「香港を諦めない 雨傘運動から10年」

HONG KONG IS NOT CHINA 香港の民主化運動の映像を見るとき、この文言を目にする。香港は、香港に住む人たちのものである。

このごろ、日本でもあまり香港のことは、ニュースにならなくなっているように感じる。ある意味では、国家安全維持法によって、表面的には香港が安定しているように見える、ということなのかもしれない。その実は、徹底的な中国共産党による弾圧、ということなのであろうが。

中国政府は、あきらかに国際的にウソをついたことになる。香港の返還のとき、その自治は約束されてはずである。それを強行にくつがえそうとしているのは、それだけ、香港における民主化運動が怖いということなのかもしれない。

そうはいっても、タテマエ上は、中国からは距離をとったところに香港はある。そこで暮らしている人たちは、いったい何を思っているのだろうか。また、今の中国にとって、香港はどんな存在なのだろうか。

冷めた見方をすることになるのかもしれないが、中国政府としてみれば、香港を弾圧することはあっても、かつての天安門事件のような騒ぎにしたくはない、そのギリギリの手前のところでとどまっているようにも思える。軍隊を動員してデモを鎮圧するということまではしない。少なくとも、表だって死者が出るようなことはしていない。もし、天安門事件の再来のようなことになれば、それをきっかけに国際社会のなかで中国の地位は失墜するはずである。そうなったら、自暴自棄的に何をしでかすかわからない。だが、これもこれからの情勢でどうなるか分からないという不安もある。

2024年10月2日記