「福岡 わらび餅の流し屋台」2024-10-29

2024年10月29日 當山日出夫

ドキュメント72時間 福岡 わらび餅の流し屋台

福岡のわらび餅の屋台のことは、他の番組で以前に見た。かなり高齢のおじいさんががやっていて、後継者がいないということを嘆いていたかと記憶する。いったい何の番組だっただろうか。

屋台のわらび餅というのは、ビジネスとしてはあまり儲からないかもしれない。とにかく単価が安い。今の時代なら、自動車を使ったキッチンカーでランチを提供した方が、よほど稼げるかもしれない。自転車で屋台をひっぱってあるくというのは、風物誌としてはいいかもしれないが、今の時代にはもう向かないのかなとも思ったりする。

だが、その屋台が街のなかを行くスピード、というか、その遅さ、というべきか、これが、街を歩き、そこに住んでいる人の生活感覚にあっている、ということはいえそうである。この歩く速度で、というのが、この屋台の最大の魅力かもしれない。

そういえば、屋台というものを見かけなくなった。おそらく日本中で姿を消しつつあるといっていいだろう。(むかし、東京に住んでいたころ、屋台のラーメン屋さんとか、おでん屋さんとか、あったものである。さて、今はどうだろうか。)

ことばとして気になったのは、「もなか」。普通は、和菓子として中にあんこのあるものをいうのだが、ここでは、中にわらび餅をいれたもの、あるいは、それを入れる外側の部分をさしていると思える。この「もなか」という言い方は、福岡で、わらび餅の屋台や、その食べ方として、古くからあるものなのだろうか。

2024年10月26日記

偉人の年収「福澤諭吉」2024-10-29

2024年10月29日 當山日出夫

偉人の年収 How much? 福澤諭吉

これまでいろんなテレビ番組で福澤諭吉が登場してきていると思うが、今野浩喜が最新バージョンということになる。

録画を見てから調べてみて、山崎怜奈がSFCの出身であることを知った。

ほとんどは、福澤諭吉について常識的な智識の範囲である。だが、実際にどれぐらいの年収があったかというようなことは、これまであまり気にしてこなかったので、なるほどと思ったところがある。

ウェーランド講述記念日は、今でも慶應においては特別な意味があるのだろうと思っているのだが、はたして今の塾生たちにとってどうだろうか。

演説館が映っていた。この中には、学生のときに入ったことがある。三田演説会のときである。これは、今でもつづいている。

一つだけ残念に思うのは、『文明論之概略』にことが出てこなかったことである。『学問のすゝめ』とまた別の意味で、日本の近代において重要な役割を果たした書物であると認識している。

若いころ、福澤諭吉の著作について、コンピュータを用いて解析すればどのようなことが分かるか、考えてみたこともあったのだが、これは、これからの新しい研究者の仕事ということになるにちがいない。小さなことかもしれないが、『学問のすゝめ』の四編と五編の文体が、他と異なることをきちんと立証できると面白い。

2024年10月23日記

「デモクラシーの“闇” ハンガリーの民主主義は今」2024-10-29

2024年10月29日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー 「デモクラシーの“闇” ハンガリーの民主主義は今」

二〇二四年、デンマークとアメリカの制作。

私の世代だと、どうしてもかつてのハンガリー動乱のことをまず思ってしまう。ソ連の支配下にあった時代のことである。そのときのことを記憶している、あるいは、親の世代から伝えられた感覚を持っている、このような人びとと、ソ連崩壊後の社会で育ったひとたちとの間の、いわゆる世代間の対立のように思える。

いわゆる自国第一主義ということが、世界の潮流になっていることは否定できないだろう。このとき、なぜ、そのような考え方が生まれてきたのか、という歴史的背景を考えることだと、私は思う。

表面的には、民主主義の否定のように見えるし、確かに、今のハンガリーは強権的で独裁的ではある。だが、その一方で、そのような指導者の目指しているものに共感する人びとも多くいるのが、また現実である。

ただ、リベラリズムということと、民主主義とは、かならずしもイコールではないともいえるだろう。人間の生き方や社会の価値観に関することと、政策決定のプロセスの制度に関することは、基本的には別のことがらである。民主主義の制度は支持するが、しかし、(極端な)リベラルな価値観は受け入れないという人がいることも確かなことである。(たとえば、アメリカにおけるトランプ支持の人々の多くは、そのような人たちだろう。)

興味深く思ったこととして、ハンガリーではウクライナの戦争に巻きこまれることを拒否しようとしている。これが、オルバン政権の方針である。日本で、一般に戦争に巻きこまれる、というともっぱら左派の言っていることになる。アメリカの戦争に巻きこまれてはいけないというのは、左派の主張である。ロシアの侵略に対して、ウクライナを支援するということになるのか、それとも戦争に巻きこまれるということになるのか、ものの言い方や見方は、立場や状況によって変わるということになるだろう。

2024年10月24日記