笑わない数学「微分・積分」2025-01-06

2025年1月6日 當山日出夫

昨年末の放送、録画してあったのをお正月の朝に見た。けっこう面白かった。

微分・積分は、高校の数学でならったが、はっきりいって分からなかった、ということになる。(数学は嫌いではないのだが、得手不得手が生じるのは、生徒の資質と教え方の問題が大きいかなと、今になって思うところがある。個人的な思い出としては、中学や高校の数学の時間で、幾何の問題は、見た次の瞬間に答えがひらめいてわかったものである。テストのときは、時間が余ってしかたがなかった。)

この番組のいいところだと感じるのは、数学の歴史をたどっていることである。なぜ、そのことが数学の研究テーマであるのか、そして、それが分かることによってさらに応用的に何が分かるようになるのか、ということを語っていることである。

微分・積分については、応用面で、ハレー彗星の予測ができたり、物理学で使われたり、具体的な道具としての面では、便利で実績がある、これは確かである。

しかし、その一方で、無限小数というような、ゼロではないけれどゼロと見なしていい、という曖昧な概念を持ち込んで作ってあるということは、確かに、学問としての厳密性に欠ける、ということになる。

実際に役立っている面を重視するか、あるいは、学問的厳密さを求めるか、これは難しい問題である。

Wikipediaで、イプシロン・デルタ論法の項目を見てみると、この概念まで、大学の数学で教える必要があるかどうか、議論があるらしい。おそらく、一般的な理工系の研究分野では、ここまで考えることはない。しかし、数学という分野を専門に勉強するとなると、避けて通ることはできないことになる、ということらしい。

無限に小さいけれども、決してゼロではない……これは、非常に魅力的な研究のテーマだと、今の私としては思うところである。(もう、この年になって数学を勉強してみようなどとはまったく思わないけれども。)

番組の最後で、微分のことは微分で、と出てきたのには笑ってしまった。このエピソードは、私でも知っている話しである。

2025年1月1日記

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