「気になる家」2025-01-20

2025年1月20日 當山日出夫

気になる家

NHKでなんとなく相撲を見ていて(特に相撲に関心があるわけではない)、たまたまテレビのニュースを見て(ニュースはなるべく見るようにしている)、そのままにしていたら、この番組が始まったので見てしまった。短い番組だが、ちょっと面白かった。

東京の国分寺にある洋館、その建築の来歴と、そこに住んできた人びとのことであった。そんなに深く、それを建てた人物とか、住んできた人たちの事跡に踏み込んだ内容ではなかったが、一つの家にまつわる数奇な人びとの巡り合わせということになるだろうか。

一番興味深かったのは、昭和の初め、この洋館が建てられたころ、国分寺の高台のあたりは、夏の別荘ということだった、ということ。戦前の国分寺あたりは、中央線の列車は通じていたが、東京から見れば、かなり遠くの郊外ということであった。

調布のあたりは、いろんな工場があったし、立川には飛行場もあった。学生のとき(今から半世紀ほど昔のことである)、なにかのことで、立川まで行ったことがあったが、随分とおくまできたものだという印象をいだいたの憶えている。それが、今では、立川に国立国語研究所が移って、かなり行ったことになる。立川は、立派な都会である。

昭和の初めに建てられた洋館、それから、その増築として建てられた和館、よく今まで残っていたものだと思う。太平洋戦争中は、空襲ということはなかったようだが、戦闘機による機銃掃射はあった。その弾痕が残っている。

洋館の建築はとても興味深いものである。ここでどんな生活をしていたのだろうか。また、和館のおおきな窓ガラスも今となっては貴重なものである。

たぶん、建築史的にはとても価値のある家なのにちがいない。

国分寺のあたりで、これだけの家を維持していくのは大変だろうと思うが、そこはなんとかなっているようである。

調べれば、全国にこのような家がまだまだ残っているはずである。家主が高齢であったり、亡くなったりして、後の管理が大変ということもあるだろう。番組に出てきた家も、一時期はゴミ屋敷のようだったらしい。できれば、なんとかして残して、利活用する方策を考えることが必要かと思う。壊して新しいマンションにするだけが、土地の利用ではないだろう。

2025年1月14日記

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