『街の灯』:手紙の書き方雑感2009-09-20

2009-09-20 當山日出夫

いま、『街の灯』(北村薫、文春文庫)を読んでいる。ここしばらく、北村薫からはとおざかっていたが、このシリーズは、やはり読んでおこうかと思って読み始めた。

北村薫……まだ、覆面作家だったころ、たぶん、私とほぼ同年配、大学は早稲田だろう、と思っていた。ゆえに(というのも変であるが)「探偵小説」という言葉がすきである。

中の二番目の作品。「銀座八丁」。

手紙の書き方で、思い出したこと。

・一枚の便箋に書いてはいけない。一枚だけで書き終わったら、さらに一枚白紙をつけておく。これは、今でも、実践例に接することがある。

・目上の人にだすときには、句読点をうたない。(このことは、作品中には書いていないが。)

今時、電子メールで、こんな作法は通用しない。私の場合、学校の国語の時間に、雑談として聞いて憶えている。自分で実行したことはないけれど。

それにしても、北村薫のこのシリーズ、「公侯伯子男」と憶えていないと、つまり、華族内の序列を知っていないと、ちょっと理解しづらいところがありそうである。といって、最初に解説を書いてしまうわけにもいかないし。

當山日出夫(とうやまひでお)