最近の読書 ― 2016-05-21
2016-05-21 當山日出夫
ここしばらくの読書について書いてみる。
浅羽通明、この人の本はかなり読んでいるつもりである。(これについては、また別の機会にあらためて書きたいと思っている。)
その浅羽通明の最近の本に、
浅羽通明.『「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか』(ちくま新書).筑摩書房.2016
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480068835/
がある。買ってさっそく読んだ。(この本の感想についてもまた別の機会にしたい。)
その関連で、浅羽通明の本を読み直してみたくなった。本棚から探し出してきたのが、
浅羽通明.『ナショナリズム-名著でたどる日本思想入門-』 (ちくま文庫).筑摩書房.2013 (もとは、ちくま新書.2004、これも持っているが新しい文庫版の方で読んだ。)
浅羽通明.『アナーキズム-名著でたどる日本思想入門-』(ちくま新書).筑摩書房.2004
この二冊。新書本(ちくま新書)で出たときに、ざっと読んだのだが、改めて読んでみたくなった。再読してみると面白い。特に『ナショナリズム』。自分が今の国民国家「日本」に属していることについて、いろいろ考えることがあった。
『ナショナリズム』『アナーキズム』ともに、ブックガイドでもある。各章に関連する本の案内がついている。そのなかで、『ナショナリズム』に出てきた本の一つに、松本健一の、
松本健一.『日本の近代1 開国・維新 1853~1871 』(中公文庫).中央公論新社.2012
http://www.chuko.co.jp/bunko/2012/06/205661.html
があった。興味があったので読んでみた。これはいい本だと思った。
で、このシリーズ(中公文庫の「日本の近代」)、通読してみることにした。だが、このシリーズ、どちらかといえば政治史に中心をおいて書いてあるシリーズなので、他の巻は、あまり興味がわかなかった点もある。ただ、日本の近代史を考えるうえでは、このシリーズは欠かせないものであるとは思う。
そして、松本健一である。すでに故人。かなりたくさんの近代史関係の著作があるにもかかわらず、なぜか今まで読まずにすぎてきた人である。これをきっかけにと思って、いくつか読んでみることにした。
以下のような本である。以下、タイトルだけ示しておく。
『日本の失敗―「第二の開国」と「大東亜戦争」-』
『明治天皇という人』
『畏るべき昭和天皇』
『竹内好 日本のアジア主義」精読』
『竹内好論』
『評伝 斎藤隆夫』
『砂の文明 石の文明 泥の文明』
『丸山眞男 8・15革命伝説』
などである。北一輝関係の本も買ってはあるが、これはまだ読んでいない。
松本健一という人、一般的な見方をすれば、比較的保守的な立場にたった歴史家ということになる。しかし、経歴を見ると、いわゆるアカデミズムの人ではないようだ。
日本の近代国家、国民国家としての日本が、いま、岐路にたたされているといってもいいかもしれない。これまで自明のものとしてあった「日本」について、認識を新たにするときがきていると思う。この意味で、松本健一の本は、どのようにして近代の国民国家「日本」が成立してきたのか、その歴史(失敗をふくめて)を考えさせてくれる。
それから、最近になって読んだのは……『風と共に去りぬ』(新潮文庫版、岩波文庫版)などがある。いま読んでいる途中の本は『カラマゾフの兄弟』(中公文庫版)である。『歴史を哲学する』(野家啓一)も面白く読んだ。これらの本については、追って書いていきたいと思っている。
ここしばらくの読書について書いてみる。
浅羽通明、この人の本はかなり読んでいるつもりである。(これについては、また別の機会にあらためて書きたいと思っている。)
その浅羽通明の最近の本に、
浅羽通明.『「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか』(ちくま新書).筑摩書房.2016
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480068835/
がある。買ってさっそく読んだ。(この本の感想についてもまた別の機会にしたい。)
その関連で、浅羽通明の本を読み直してみたくなった。本棚から探し出してきたのが、
浅羽通明.『ナショナリズム-名著でたどる日本思想入門-』 (ちくま文庫).筑摩書房.2013 (もとは、ちくま新書.2004、これも持っているが新しい文庫版の方で読んだ。)
浅羽通明.『アナーキズム-名著でたどる日本思想入門-』(ちくま新書).筑摩書房.2004
この二冊。新書本(ちくま新書)で出たときに、ざっと読んだのだが、改めて読んでみたくなった。再読してみると面白い。特に『ナショナリズム』。自分が今の国民国家「日本」に属していることについて、いろいろ考えることがあった。
『ナショナリズム』『アナーキズム』ともに、ブックガイドでもある。各章に関連する本の案内がついている。そのなかで、『ナショナリズム』に出てきた本の一つに、松本健一の、
松本健一.『日本の近代1 開国・維新 1853~1871 』(中公文庫).中央公論新社.2012
http://www.chuko.co.jp/bunko/2012/06/205661.html
があった。興味があったので読んでみた。これはいい本だと思った。
で、このシリーズ(中公文庫の「日本の近代」)、通読してみることにした。だが、このシリーズ、どちらかといえば政治史に中心をおいて書いてあるシリーズなので、他の巻は、あまり興味がわかなかった点もある。ただ、日本の近代史を考えるうえでは、このシリーズは欠かせないものであるとは思う。
そして、松本健一である。すでに故人。かなりたくさんの近代史関係の著作があるにもかかわらず、なぜか今まで読まずにすぎてきた人である。これをきっかけにと思って、いくつか読んでみることにした。
以下のような本である。以下、タイトルだけ示しておく。
『日本の失敗―「第二の開国」と「大東亜戦争」-』
『明治天皇という人』
『畏るべき昭和天皇』
『竹内好 日本のアジア主義」精読』
『竹内好論』
『評伝 斎藤隆夫』
『砂の文明 石の文明 泥の文明』
『丸山眞男 8・15革命伝説』
などである。北一輝関係の本も買ってはあるが、これはまだ読んでいない。
松本健一という人、一般的な見方をすれば、比較的保守的な立場にたった歴史家ということになる。しかし、経歴を見ると、いわゆるアカデミズムの人ではないようだ。
日本の近代国家、国民国家としての日本が、いま、岐路にたたされているといってもいいかもしれない。これまで自明のものとしてあった「日本」について、認識を新たにするときがきていると思う。この意味で、松本健一の本は、どのようにして近代の国民国家「日本」が成立してきたのか、その歴史(失敗をふくめて)を考えさせてくれる。
それから、最近になって読んだのは……『風と共に去りぬ』(新潮文庫版、岩波文庫版)などがある。いま読んでいる途中の本は『カラマゾフの兄弟』(中公文庫版)である。『歴史を哲学する』(野家啓一)も面白く読んだ。これらの本については、追って書いていきたいと思っている。
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