『いだてん』あれこれ「時代は変る』2019-07-02

2019-07-02 當山日出夫(とうやまひでお)

『いだてん』2019年6月30日、第25回「時代は変る」
https://www.nhk.or.jp/idaten/r/story/025/

前回は、
やまもも書斎記 2019年6月25日
『いだてん』あれこれ「種まく人」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/06/25/9091499

今回から、第二部である。見ていて感じることは、なんだかんだとてんこもりにして、ドタバタとスピード感で、一気に見せてしまったというところであろうか。

第二部は、田畑政治が主人公である。一般には、名前が知られていない。だからこそであろうか、かなり自由に、田畑政治とその周辺の人物を描いていたように思える。ただ、時代考証としては、大正から昭和にかけての流れをふまえたものにはなっていたようだが。

たとえば、元号の「光文」事件。今では、毎日新聞の誤報ということになっているが、このあたりのことも、田畑政治の周囲のエピソードとして、たくみにおりこんであった。

また、前編の金栗四三の時からの話しの流れも、伏線を回収してあって、脚本のうまさを感じさせた。特に、浜松での田畑政治と志ん生のかかわりが、ここに出てきていた。

ところで、この回を見ていて思ったことであるが、三浦梧楼が出てきていた。普通の日本の歴史で、三浦梧楼の名前が登場するとするならば、閔妃暗殺事件においてであろう。無論、ドラマでは、そのようなことは一切触れていなかった。大物政治家という立場であった。

オリンピックと金の問題、これも、まさに来年の2020東京オリンピックにおいて大きな問題となっていることだが、ここは、高橋是清の英断ということで決着させていた。関東大震災から、昭和初期の不況の時代である。この時代に、オリンピックに参加することの意義を、(前編の四三の時から登場している)嘉納治五郎が語っていたのが印象深い。

このドラマ、後半においては、水泳が中心になるようだ。オリンピックの水泳といえば、「前畑、がんばれ」であり、古橋廣之進を思い浮かべる。だが、ここに代表されるような、かつて世界で水泳のトップであった日本の、その後の凋落が、1964年の東京オリンピックでもあったのだが。

志ん生については、落語(火焔太鼓)と、ドラマの展開を、おりまぜて描いて見せていた。このあたりの作り方は、前編にも見られたことであるが、なかなかうまいと感じさせた。

これから、人見絹枝の活躍があり、また、「民族の祭典」になるはずである。このあたりをどう描くか、楽しみに見ることにしよう。

追記 2019-07-09
この続きは、
やまもも書斎記 2018年7月9日
『いだてん』あれこれ「明日なき暴走」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/07/09/9124847

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