『その日の後刻に』グレイス・ペイリー/村上春樹(訳)2019-09-28

2019-09-28 當山日出夫(とうやまひでお)

その日の後刻に

グレイス・ペイリー.村上春樹(訳).『その日の後刻に』.文藝春秋.2017
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163907031

続きである。
やまもも書斎記 2019年9月26日
『村上朝日堂 はいほー!』村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/09/26/9157898

グレイス・ペイリーは、この本をふくめて、三冊しか小説(短編集)を出していない。他の二冊については、すでに読んだ。

やまもも書斎記 2019年9月21日
『最後の瞬間のすごく大きな変化』グレイス・ペイリー/村上春樹訳
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/09/21/9155949

やまもも書斎記 2019年9月18日
『人生のちょっとした煩い』グレイス・ペイリー/村上春樹訳
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/09/18/9154935

この三冊の短編集を読んで思うことは……あの有名になってしまっているエルサレムでのスピーチである。無論、これは、訳者が村上春樹だからそう感じるのである。

エルサレムのスピーチは、『村上春樹雑文集』に載っている。

やまもも書斎記 2019年9月9日
『村上春樹雑文集』村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/09/09/9151272

第二次大戦後のアメリカのニューヨーク、そこに住むユダヤ人たち、社会の階層としてはむしろ低い方に位置するだろう、そして、女性、移民、子どもたち。時代としては、公民権運動の時代であり、ベトナム戦争の時代でもある。このような時代、社会、人びとを、丹念にグレイス・ペイリーの小説は描いている。だが、それは、時として難解でもある。

しかし、読んで行くと、ふと、小説世界の人びとのこころのうちに寄り添っている……主にフェイスを登場人物としてあつかった作品になるが……ことに気付く。こういうのを、文学的想像力というのだと思う。それを訳し、この作家に共感する存在として村上春樹がいる。このように思って読むと、エルサレムのスピーチが、ふにおちるところがある。

村上春樹の翻訳を読んでいる。次は、カーソン・マッカラーズである。

次の村上春樹の作品は、『遠い太鼓』である。

追記 2019-10-03
この続きは、
やまもも書斎記 2019年10月3日
『遠い太鼓』村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/10/03/9160554

追記 2019-10-12
追記 2019-10-12
この続きは、
やまもも書斎記 2019年10月12日
『結婚式のメンバー』カーソン・マッカラーズ/村上春樹(訳)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/10/12/9163890

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