「デモクラシーの“闇” ハンガリーの民主主義は今」 ― 2024-10-29
2024年10月29日 當山日出夫
BS世界のドキュメンタリー 「デモクラシーの“闇” ハンガリーの民主主義は今」
二〇二四年、デンマークとアメリカの制作。
私の世代だと、どうしてもかつてのハンガリー動乱のことをまず思ってしまう。ソ連の支配下にあった時代のことである。そのときのことを記憶している、あるいは、親の世代から伝えられた感覚を持っている、このような人びとと、ソ連崩壊後の社会で育ったひとたちとの間の、いわゆる世代間の対立のように思える。
いわゆる自国第一主義ということが、世界の潮流になっていることは否定できないだろう。このとき、なぜ、そのような考え方が生まれてきたのか、という歴史的背景を考えることだと、私は思う。
表面的には、民主主義の否定のように見えるし、確かに、今のハンガリーは強権的で独裁的ではある。だが、その一方で、そのような指導者の目指しているものに共感する人びとも多くいるのが、また現実である。
ただ、リベラリズムということと、民主主義とは、かならずしもイコールではないともいえるだろう。人間の生き方や社会の価値観に関することと、政策決定のプロセスの制度に関することは、基本的には別のことがらである。民主主義の制度は支持するが、しかし、(極端な)リベラルな価値観は受け入れないという人がいることも確かなことである。(たとえば、アメリカにおけるトランプ支持の人々の多くは、そのような人たちだろう。)
興味深く思ったこととして、ハンガリーではウクライナの戦争に巻きこまれることを拒否しようとしている。これが、オルバン政権の方針である。日本で、一般に戦争に巻きこまれる、というともっぱら左派の言っていることになる。アメリカの戦争に巻きこまれてはいけないというのは、左派の主張である。ロシアの侵略に対して、ウクライナを支援するということになるのか、それとも戦争に巻きこまれるということになるのか、ものの言い方や見方は、立場や状況によって変わるということになるだろう。
2024年10月24日記
BS世界のドキュメンタリー 「デモクラシーの“闇” ハンガリーの民主主義は今」
二〇二四年、デンマークとアメリカの制作。
私の世代だと、どうしてもかつてのハンガリー動乱のことをまず思ってしまう。ソ連の支配下にあった時代のことである。そのときのことを記憶している、あるいは、親の世代から伝えられた感覚を持っている、このような人びとと、ソ連崩壊後の社会で育ったひとたちとの間の、いわゆる世代間の対立のように思える。
いわゆる自国第一主義ということが、世界の潮流になっていることは否定できないだろう。このとき、なぜ、そのような考え方が生まれてきたのか、という歴史的背景を考えることだと、私は思う。
表面的には、民主主義の否定のように見えるし、確かに、今のハンガリーは強権的で独裁的ではある。だが、その一方で、そのような指導者の目指しているものに共感する人びとも多くいるのが、また現実である。
ただ、リベラリズムということと、民主主義とは、かならずしもイコールではないともいえるだろう。人間の生き方や社会の価値観に関することと、政策決定のプロセスの制度に関することは、基本的には別のことがらである。民主主義の制度は支持するが、しかし、(極端な)リベラルな価値観は受け入れないという人がいることも確かなことである。(たとえば、アメリカにおけるトランプ支持の人々の多くは、そのような人たちだろう。)
興味深く思ったこととして、ハンガリーではウクライナの戦争に巻きこまれることを拒否しようとしている。これが、オルバン政権の方針である。日本で、一般に戦争に巻きこまれる、というともっぱら左派の言っていることになる。アメリカの戦争に巻きこまれてはいけないというのは、左派の主張である。ロシアの侵略に対して、ウクライナを支援するということになるのか、それとも戦争に巻きこまれるということになるのか、ものの言い方や見方は、立場や状況によって変わるということになるだろう。
2024年10月24日記
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