NHKスペシャル「オンラインカジノ “人間操作”の正体」2025-04-22

2025年4月22日 當山日出夫

NHKスペシャル オンラインカジノ “人間操作”の正体

私の見た範囲で、NHKでオンラインカジノを大きくとりあつかうのは、昨年の、

2024年6月29日
調査報道 新世紀 File4 オンラインカジノ 底知れぬ闇
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/689LG7QGGZ/

これについては、
やまもも書斎記 2024年7がつ17日
「調査報道 新世紀 File4 オンラインカジノ 底知れぬ闇」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2024/07/17/9701940

オンラインカジノについて思うことは、すでに書いたので繰り返さない。

ギャンブル依存症ということについて、精神医学の分野で現在はどのように考えられているかということが、もうすこし解説してあるとよかったと思う。それと同時に、行動科学の観点から、人間を依存症においこむことができるとして、それは、どういう理屈にもとづく、どういう操作によってなのか……これは、手の内をしめさないということだったのかと思うが、ここは知りたいところである。今の時代、日常生活のさまざまな領域において、行動科学にかかわらないことはない、という時代になってきている。ナッジとかアーキテクチャなども、近年の行動科学の知見から生み出された概念だと認識している。

ギャンブルについては、国によって制度の違いがあり、グレーな領域があることは確かだと思っている。近々、堂々とカジノが大阪に作られることになっている。(たぶん、これは、海外からお金持ちがやってきて遊んで、その利益のほとんどは、外国の運営会社に持っていかれる。ほんの少しは地元にお金がおちるかもしれないが。というぐらいに思っている。カジノに入り浸って、依存症になるほどのお金持ちは、そんなに日本にはいないかもしれない。)

スマホで出来るということなので、日常生活のなかにはいりこんできてしまう、というところが一番の問題点だろう。そこに、なんらかの仕掛けがあれば、簡単にのめりこんでしまうのが、人間というものである。

(以前にも書いたが)そもそも、賭博というのは、胴元が絶対に損をしないシステムの上に作ってあるはずなので、これがわかっていれば、そんなに簡単に手を出すことはないと思っているが、しかし、このように思うばかりが人間ではない。だからこそ、はるか古代から、賭博の歴史が続いてきている。

だが、スマホによるオンラインカジノは、従来の賭博とは、別次元の作用を、多くの人間にもたらす、ということはあるのだろう。これは、近年、話題になっている、SNS上での各種のフェイクニュースの拡散問題などとも共通するところがあるとは思おう。スマホとネットが、人間の社会と文化のあり方を根底から変えようとしているのが、二一世紀になって起こっていること、といってもいいのだろう。

スマホとネットが、人間に何をもたらすことになるのか、総合的に考えるべきであり、オンラインカジノの問題は、その一端にすぎないというべきだろう。

また、ギャンブル依存症もそうであるが、依存症という状態が、病気、疾患というべきものであり、治療すべきものである、という認識が、社会的に広く共有される……その本人をふくめて、周囲の人びとや、さまざまな関係者に……ことも、必要だろう。ただ、その人の性格や趣味、意志の問題としてしまうことでは、解決しない。この認識も重要である。つまり、自己責任ではないということである。

だからといって、オンラインカジノを禁止するとなると、今度は、それが本当の闇のなかにもぐってしまうだけになるだろう。見えるところにおいて、規制をかけるしかないのかもしれない。

2025年4月21日記

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