『スカーレット』あれこれ「心ゆれる夏」2019-11-24

2019-11-24 當山日出夫(とうやまひでお)

『スカーレット』第8週「心ゆれる夏」
https://www.nhk.or.jp/scarlet/story/index08_191118.html

前回は、
やまもも書斎記 2019年11月17日
『スカーレット』あれこれ「弟子にしてください!」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/11/17/9177936

この週で喜美子は、絵付け師になることができた。

印象に残っていることを書いてみると次の二点だろうか。

第一に、新聞の取材。

信楽で最初の女性の絵付け師ということで、喜美子は新聞にとりあげられる。しかし、その記事について、喜美子は今一つ納得してないようである。師匠の深野心仙のことに、その記事が言及していなかったかである。このあたり、師匠思いの喜美子のこころの動揺とでもいうべきものが、うまく表現されていたように思う。

第二に、八郎の思い出話。

新しく丸熊陶業にはいった八郎は、そこに深野心仙がいることを知る。そして、自分の過去の出来事をうちあける。深野心仙の絵を闇市で売って食料にかえたという。それを聞いていた、深野心仙は、わらっていた。そのようにしか生きられなかった時代……戦争のあった時代……のことを、深野心仙もまた、同時代の人間として共有、共感するものがあったのだろう。

以上の二点が、この週で印象に残っているところである。

また、スイカを、家族揃って縁側で食べるシーンがよかった。昔の田舎の家庭というのは、あんなふうだったのだ、ということを思い出せる。

ところで、火鉢の絵付け師になる喜美子であるが、その火鉢は、その後の日本の生活スタイルの変化のなかですたれていくことになる。つまり、火鉢の絵付け師という仕事は、意味のないものになるはずである。このあたり、このドラマは、これからどのように描くことになるのだろうか。

また、喜美子が陶芸の道に本格的にはいっていくとして、それはどのような経緯を経てのものなるのだろうか。このあたり、今後の展開を楽しみに見ることにしよう。

追記 2019-12-01
この続きは、
やまもも書斎記 2019年12月1日
『スカーレット』あれこれ「火まつりの誓い」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/12/01/9183505