映像の世紀バタフライエフェクト「ロックが壊した冷戦の壁」2023-01-02

2023年1月2日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト ロックが壊した冷戦の壁

二〇二二年の年末の放送。これも録画しておいて、大晦日の朝早くに見た。

年末の特集ということなのだろうが、これまでのシリーズとはちょっと感じがちがっていた。

大きなストーリーとしては、ロックミュージックと冷戦の崩壊ということで理解できる。その根底にあるのは、自由を求める人びとの思いと言っていいのだろう。

ただ、この回は、新しい映像資料というのはあまりなかった。(私にとって目新しかったのは、ソ連時代のビートルズのコピー演奏だった。)ほとんど、これまでの映像の世紀シリーズで使ったことのある映像資料を編集したものだった。

しかし、その言わんとするメッセージは、確かに伝わる編集であったと言っていいだろう。

ナレーションが、いつもと違って、糸井アナウンサーであったのは、何故なのだろうかと思ったのだが、どうだろうか。

やはりこのような企画で気になるのは、現在のこと。この放送では、現代の中国のこととか出てきていない。(香港のことが少しだけ出てきた)。ロシアのことも触れることがなかった。さて、冷戦の崩壊、表現の自由を求める若者の声、これらは、今の中国ではどのように受けとめられることなのだろうか。あえてまったく触れないということで、逆に、このことが気にかかる内容となっている。

自由を求める人びとの気持ちを、独裁的に抑えることはできない。このことは確かなことと言っていいのだろう。

この番組、二〇二三年も続くようである。続けて見ることにしよと思っている。

2022年12月31日記