質問する文化と知的誠実さについて2009-08-08

2009-08-08 當山日出夫

かたつむりは電子図書館の夢を見るか
知的コミュニティ基盤研究センター研究談話会 「プラットフォームをデザインする思想と技法-メールマガジンARG、Yahoo!知恵袋、ARGカフェを題材に」

http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20090806/1249569536

ここで、岡本真さん(ARG)のことが話題になっている。そのなかで、Yahoo!知恵袋、について次のようにあるのは、非常に示唆的である。

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日本は質問する文化にない。「なんでも聞いて」と言ったってほいほい来るわけではない。

質問するインセンティブデザイン。質問することを積極的に褒める。質問すると点数が来るのでシューティングとか好きな男性はハマる。

良回答<回答有。良い回答があることより回答があることが重要。レスポンスがないと二度と質問しなくなる。回答の品質なんて求めないからとにかく回答するように。回答には質問の倍のポイント。

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日本でも、「国際シンポジウム」として英語で発表ということがある。そのとき、欧米の人が発表しての質疑応答のとき、「good question」と言うのを、よく耳にする。というよりも、まず、そう言ってから質問に答える。

しかし、これが、日本語での学会やシンポジウムであると、この種の発言はまず無いといってよい。まあ、時々、「はい、それこそ、実は問題点なのですが……」ということも無いではないが、まれである。

発表に対しては、質問することがむしろマナーなのである、という方向になればいいと思うが、なかなかそうもいかないかもしれない。このあたり、日本の大学の授業のあり方ぐらいか論じるべきなのだろうが、それも簡単ではなさそう。

ただ、個人的な経験から述べておきたい。私が知るかぎり、知的に誠実で優秀な人は、初歩的なことでも、自分の専門分野外で知らないことであれば、きちんと質問する。文化の問題でもあるが、自らの知的誠実さの問題でもあると思う。

當山日出夫(とうやまひでお)

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