NHKスペシャル「椎葉 山物語 “のさり”の原風景」 ― 2026-01-21
2026年1月21日 當山日出夫
NHKスペシャル 椎葉 山物語 “のさり”の原風景
柳田国男の「後狩詞記」は、名前は知っているが、実はまだ読んでいない。ごく初期の民俗学の文献になる。「定本柳田国男集」は今は書庫の中である。これを買ったのは、大学生のときだった。角川文庫版が、かなりKindle版で読めるのだが、その中にはふくまれていないようである。
柳田国男は、NHKでは「やなぎたくにお」と読むのが普通になってきていると思っているが、ナレーションでは「やなぎだくにお」と言っていた。
椎葉村という村の名前は、ニュースでときどき接することがある。たいていは、九州で災害が起こったようなときである。警報などが発表された自治体の名前をニュースで言うのだが、「しいばそん」という読み方で憶えている。「村」を「そん」と読むのは、かなり地域による違いがあると思うが、日本全体としてはどうなのだろうか。
出てきていたのは、蜂蜜を採る老夫婦、イノシシの狩りをする老人、がメインだった。
蜂蜜を採っている老夫婦の家が映って、その家のすぐ隣に、立派な墓があるのにおどろいた。とても大きい。はっきりいって、これを建てるだけでも、かなりのお金がかかっただろうと思う。
映っていた蜜蜂は、たぶんニホンミツバチかなと思うが、専門家はどう見ただろうか。我が家の周辺でも、蜜蜂が巣を作ることがある。この場合、専門の業者にたのんで取り去ってもらうことにしている。蜜蜂は悪さをしないのだが、蜜蜂の巣を狙ってスズメバチがやってくる。スズメバチをあらかじめ、来ないようにするため、やむなく蜜蜂の巣を採ってしまうということをしている。
しかし、椎葉村では、蜜蜂が人を刺さない。蜜蜂と話しができている。おそらく、スズメバチも来ないのだろうか。
こういう自然の養蜂ということは、今の日本で、どれぐらい残っていることなのだろうか。
焼畑も、まだ、ここでは残っている。この他には、たしか高知県の山奥に残っていたかと思う。昔は、焼畑は、原始的な農業で、森林を破壊してしまうものであると、低く見なされていたが、それが、現在では、順繰りに焼畑を行っていくことで、むしろ自然環境を壊さない循環型の農業のスタイルと、評価されるようになってきている。
だが、生産効率を考えると、今の時代には適さないかとも思える。番組では、蕎麦を栽培していたのだが、収穫の労力を考えると、はたしてビジネスとしてなりたつのだろうか。
焼畑体験……というような、あえていえば過疎地ビジネスとしては、なんとか可能性があるのかもしれない。
イノシシは、全国的に獣害として問題になっている。私の住んでいる地域でも、問題である。
古来からのイノシシ猟ということなのだろう。それにしても、山の中の道なき道を走り回って、よく道に迷わず無事に帰れる……そこは、この道のプロの仕事である。(今の普通の人なら、GPSで位置を確認できないと無理である。そもそも急峻な山を走れない。)
お昼ご飯のときに、人の家にあがりこんで食事を御馳走になる。それが当たり前になっている。食べる人も、その家の人も、それを当然としている。こういう村落の人間関係が、まだ生き残っているということは、おどろく。こういう人びとの心性があって、旅から旅へと移動する人びとがいても、それをもてなすということになるのかとも、思ったりする。
番組の中で出てきていなかったのが、田畑。山の中の村なのだが、段々畑とか棚田とかはあるかと思うのだが、映っていなかった。
食事のシーンでは、白いお米のご飯であったが、おそらく、古くはこの村の中で日常的に、こういう食事ができたとは思えない。はたして、どうだったのだろうか。(白いお米のご飯をメインとする食事が一般のものであるという認識が、近代になってから広まった歴史ということになると思うが。だからといって、昔ながらの食事にもどるべきと思うわけではない。)
昔からの墓は、ただ、地面に石を置いただけのものである。私の生まれ故郷の村の墓も、似たようなものである。もう、何十年も行ったことはないが。
家の側に墓があり、また、自然石が墓石であり、古くは土葬であり、ということで、祖霊信仰ということにつながる。これは、やはり柳田国男が考えたことに、関連する。ただ、家の中にある立派な仏壇は、かなり新しいものかとも思える。
COOPのロゴの自動車が映っていた。おそらく、日常生活に必要なものは、なんとかなっているのだろう。今の時代であれば、道路があって、電気が通じていれば、山の中の集落でもなんとか生活はなりたつ。(こういう最低限のインフラの維持が難しくなったら、そのときは、また考えることになるだろうが。)
人間だれでも年をとる。体が動かなくなる。そうなったら、仕事をリタイアする。それが自然の摂理である。強いてあらがうこともない。
2026年1月19日記
NHKスペシャル 椎葉 山物語 “のさり”の原風景
柳田国男の「後狩詞記」は、名前は知っているが、実はまだ読んでいない。ごく初期の民俗学の文献になる。「定本柳田国男集」は今は書庫の中である。これを買ったのは、大学生のときだった。角川文庫版が、かなりKindle版で読めるのだが、その中にはふくまれていないようである。
柳田国男は、NHKでは「やなぎたくにお」と読むのが普通になってきていると思っているが、ナレーションでは「やなぎだくにお」と言っていた。
椎葉村という村の名前は、ニュースでときどき接することがある。たいていは、九州で災害が起こったようなときである。警報などが発表された自治体の名前をニュースで言うのだが、「しいばそん」という読み方で憶えている。「村」を「そん」と読むのは、かなり地域による違いがあると思うが、日本全体としてはどうなのだろうか。
出てきていたのは、蜂蜜を採る老夫婦、イノシシの狩りをする老人、がメインだった。
蜂蜜を採っている老夫婦の家が映って、その家のすぐ隣に、立派な墓があるのにおどろいた。とても大きい。はっきりいって、これを建てるだけでも、かなりのお金がかかっただろうと思う。
映っていた蜜蜂は、たぶんニホンミツバチかなと思うが、専門家はどう見ただろうか。我が家の周辺でも、蜜蜂が巣を作ることがある。この場合、専門の業者にたのんで取り去ってもらうことにしている。蜜蜂は悪さをしないのだが、蜜蜂の巣を狙ってスズメバチがやってくる。スズメバチをあらかじめ、来ないようにするため、やむなく蜜蜂の巣を採ってしまうということをしている。
しかし、椎葉村では、蜜蜂が人を刺さない。蜜蜂と話しができている。おそらく、スズメバチも来ないのだろうか。
こういう自然の養蜂ということは、今の日本で、どれぐらい残っていることなのだろうか。
焼畑も、まだ、ここでは残っている。この他には、たしか高知県の山奥に残っていたかと思う。昔は、焼畑は、原始的な農業で、森林を破壊してしまうものであると、低く見なされていたが、それが、現在では、順繰りに焼畑を行っていくことで、むしろ自然環境を壊さない循環型の農業のスタイルと、評価されるようになってきている。
だが、生産効率を考えると、今の時代には適さないかとも思える。番組では、蕎麦を栽培していたのだが、収穫の労力を考えると、はたしてビジネスとしてなりたつのだろうか。
焼畑体験……というような、あえていえば過疎地ビジネスとしては、なんとか可能性があるのかもしれない。
イノシシは、全国的に獣害として問題になっている。私の住んでいる地域でも、問題である。
古来からのイノシシ猟ということなのだろう。それにしても、山の中の道なき道を走り回って、よく道に迷わず無事に帰れる……そこは、この道のプロの仕事である。(今の普通の人なら、GPSで位置を確認できないと無理である。そもそも急峻な山を走れない。)
お昼ご飯のときに、人の家にあがりこんで食事を御馳走になる。それが当たり前になっている。食べる人も、その家の人も、それを当然としている。こういう村落の人間関係が、まだ生き残っているということは、おどろく。こういう人びとの心性があって、旅から旅へと移動する人びとがいても、それをもてなすということになるのかとも、思ったりする。
番組の中で出てきていなかったのが、田畑。山の中の村なのだが、段々畑とか棚田とかはあるかと思うのだが、映っていなかった。
食事のシーンでは、白いお米のご飯であったが、おそらく、古くはこの村の中で日常的に、こういう食事ができたとは思えない。はたして、どうだったのだろうか。(白いお米のご飯をメインとする食事が一般のものであるという認識が、近代になってから広まった歴史ということになると思うが。だからといって、昔ながらの食事にもどるべきと思うわけではない。)
昔からの墓は、ただ、地面に石を置いただけのものである。私の生まれ故郷の村の墓も、似たようなものである。もう、何十年も行ったことはないが。
家の側に墓があり、また、自然石が墓石であり、古くは土葬であり、ということで、祖霊信仰ということにつながる。これは、やはり柳田国男が考えたことに、関連する。ただ、家の中にある立派な仏壇は、かなり新しいものかとも思える。
COOPのロゴの自動車が映っていた。おそらく、日常生活に必要なものは、なんとかなっているのだろう。今の時代であれば、道路があって、電気が通じていれば、山の中の集落でもなんとか生活はなりたつ。(こういう最低限のインフラの維持が難しくなったら、そのときは、また考えることになるだろうが。)
人間だれでも年をとる。体が動かなくなる。そうなったら、仕事をリタイアする。それが自然の摂理である。強いてあらがうこともない。
2026年1月19日記
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