『プレイバック』村上春樹訳 ― 2019-08-02
2019-08-02 當山日出夫(とうやまひでお)
レイモンド・チャンドラー.村上春樹訳.『プレイバック』(ハヤカワ・ミステリ文庫).早川書房.2018 (早川書房.2016)
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013986/
続きである。
やまもも書斎記 2019年7月27日
『高い窓』村上春樹訳
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/07/27/9133808
この本を読んで思うこととしては、次の二つ。
第一には、レイモンド・チャンドラーといえば出てくるあの有名な台詞の出てくる作品である。はたして、村上春樹はどのように訳しているであろうか。このあたりのことは、あとがきにも触れてある。たしかにかっこいい台詞であるが、原文に忠実に、文章の流れ、小説の筋にしたがって日本語に訳すとすると、まあ、あたしかに、この本の訳のようになるのであろう。
読んでいて、思わずに付箋をつけてしまったのであるが、この村上春樹訳は、人口に膾炙したバージョンの台詞とは、ちょっとちがっている。
第二には、やはりミステリとして読んだとき、この作品は、今一つという印象がある。チャンドラーの作品としては、有名な作品にはちがいないのだが、しかし、どうも都合よく話しが終わりすぎている感じがしてならない。が、そうでありながらも、最後の解決に向けての「私」の働きは、まさにマーロウならではのものである。
だが、ちょっと脇道に入りすぎかな、というところがないでもない。特に女性との関係について、感じてしまう。
だいたい以上の二点が、『プレイバック』の村上春樹訳を読んで思うことなどである。
文庫版(ハヤカワ・ミステリ文庫)で刊行されているのは、現時点(2019年7月)で、この作品までである。残りの『水底の女』は、まだ文庫になっていないが、これは単行本で読むことにする。
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やまもも書斎記 2019年7月27日
『高い窓』村上春樹訳
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この本を読んで思うこととしては、次の二つ。
第一には、レイモンド・チャンドラーといえば出てくるあの有名な台詞の出てくる作品である。はたして、村上春樹はどのように訳しているであろうか。このあたりのことは、あとがきにも触れてある。たしかにかっこいい台詞であるが、原文に忠実に、文章の流れ、小説の筋にしたがって日本語に訳すとすると、まあ、あたしかに、この本の訳のようになるのであろう。
読んでいて、思わずに付箋をつけてしまったのであるが、この村上春樹訳は、人口に膾炙したバージョンの台詞とは、ちょっとちがっている。
第二には、やはりミステリとして読んだとき、この作品は、今一つという印象がある。チャンドラーの作品としては、有名な作品にはちがいないのだが、しかし、どうも都合よく話しが終わりすぎている感じがしてならない。が、そうでありながらも、最後の解決に向けての「私」の働きは、まさにマーロウならではのものである。
だが、ちょっと脇道に入りすぎかな、というところがないでもない。特に女性との関係について、感じてしまう。
だいたい以上の二点が、『プレイバック』の村上春樹訳を読んで思うことなどである。
文庫版(ハヤカワ・ミステリ文庫)で刊行されているのは、現時点(2019年7月)で、この作品までである。残りの『水底の女』は、まだ文庫になっていないが、これは単行本で読むことにする。
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