戒厳指令 交信ヲ傍受セヨ 二・二六事件秘録2022-02-24

2022年2月24日 當山日出夫(とうやまひでお)

2月22日の放送。録画しておいて翌日の朝に見た。

面白かった。これまで、二・二六事件のことについては、いろいろと歴史関係の本など読んだり、テレビで見たりとかしてきているが、その中で最高に面白いものの一つであったと言っていいだろう。もとは、一九七九(昭和五四)年の放送(NHK特集)。(たしか、このころは自分でテレビを持っていなかったころかと思う。その当時の放送で見た記憶はまったくない。)

NHKが発掘したレコード。それには、二・二六事件のときの、電話通話の傍受録音が記録されていた。ノイズだらけのレコードを、なんとか復元して音声をとりだした。それは、実に生々しい事件の当事者の声が残されていた。

電話を盗聴していたのは、戒厳司令部。未曾有の事件にあたって、国家の危機とでもいうべき事態に、軍としてありとあらゆる手段をとった。その一つが電話の盗聴である。盗聴するだけではなく、録音もされていた。

思うことはいろいろある。

一九七九年のころというと、事件の関係者がまだ生きていた時代である。盗聴された電話の、その本人のその後のことが、実にリアルである。太平洋戦争を生きのびた人もいれば、亡くなった人もいる。その生きのびた、電話の本人とか、家族など、なんと気丈なことかと、感慨深く見ていた。

これも、現代のデジタル技術をつかえば、もっと鮮明な音声を得ることができるだろうと思う。が、これは、この当時のNHKとして出来うる限りのことをつくしたと思って見ておけばいいのであろう。

また、放送のあった一九七九年から、今日までの間に、研究の進展によって明らかになった事実については、画面で注がついていた。これは、非常によい。

さて、このような番組を見ると、二・二六事件関係の本でも、また読みたくなってきた。近現代史についても、改めて読みなおしておきたいと思う。

2022年2月23日記