「大河ドラマが生まれた日」2023-02-11

2023年2月11日 當山日出夫

テレビ70年記念ドラマ 大河ドラマが生まれた日

二月四日の放送。録画しておいて後からゆっくりと見た。このごろテレビは、録画を見ることの方が多い。これも、時代の流れだろう。今の大河ドラマ「どうする家康」も、基本は録画で見ている。

テレビ草創期の時代を描いたものとしては、数年前の「とっとテレビ」があった。これも面白かった。何事も、その草創期のドタバタした時期は、いろいろと興味深いドラマがあるものである。

ただ、私は、「花の生涯」については、ほとんど記憶がない。次の「赤穂浪士」からは、かすかに覚えている。(私は、昭和三〇年の生まれである。そのころ家にテレビがあったのだろうか、もう記憶の彼方である。)

このドラマ、やはり二つの興味から見ることになる。

第一には、大河ドラマの誕生の物語として。テレビ草創期の舞台裏の物語として。たぶん、ここのところは、NHKの内部にかなり資料が残っているのだろうと思う。少なくとも、その当時のことを覚えている人間が、まだその記憶を保っているギリギリのところかもしれない。これはこれとして、その当時のテレビの業界の話しとして面白い。

第二には、ものを作る面白さの物語として。何時の時代であっても、映画であっても、テレビであっても、何かを作っていくということは面白いものである。そして、それを楽しみにしていてくれる人がいるということは励みになる。ものを作ることの楽しさ、苦労、喜び、もろもろの気持ちが、このドラマには込められていたと感じる。

基本的に以上の二つを思って見る。

それにしても、五社協定のあった時代に、映画に対抗して大型時代劇をテレビで作るというのも、かなり冒険であったと思う。まだ、時代の雰囲気としては、映画が娯楽の主流であった時代と言っていいだろう。テレビと映画と拮抗する時代であったのだろうが、このあたり、テレビと映画の演出法、役者の演技の違いというようなところも描いてあると、さらに興味深いものになったかと思う。

ともあれドラマとしてよく出来た作品だと思う。

2023年2月8日記