「“正義”はどこに ~ガザ攻撃1年 先鋭化するイスラエル~」 ― 2024-10-14
2024年10月14日 當山日出夫
NHKスペシャル “正義”はどこに ~ガザ攻撃1年 先鋭化するイスラエル~
ではどうすればいいのか、その道筋が見えない。
イスラエルの内部においても、人びとの意見は分断して対立している。パレスチナの地は、すべてユダヤ人のものであると固く信じて疑わない人たちが、よりその考え方を強固なものにしていっている。一方で、(番組のなかでは言っていなかったことではあるが)、ハマスなどいわゆるイスラム過激組織にしてみれば、この世界からユダヤ人がいなくなればいいと思っている。少なくとも、そのような主張は、いろんな報道から聞こえてくる。この対立が、国家のレベルから、個人の考え方のレベルまで、浸透して対立が激化するなかで、容易に解決の糸口は見出しがたいだろう。
現実的な道筋としては、人質の解放と停戦、ということぐらいしかないかもしれない。一方的に、イスラエルの非人道的な戦闘を非難するだけで、ことがおさまるとは思えない。イスラエルの内部において、現在のネタニヤフ政権が崩壊するという事態にならないかぎり、どうにもならないかもしれない。
よく分からないのは、ユダヤ人のナショナリズム(といっていいのだろうか)である。ユダヤ人としてのパレスチナの地に対する思いと、団結の精神、これがどのような歴史的経緯があって、今にいたっているのか、ここのところを理解しない限り、どうにもならないかもしれない。おそらくユダヤ人の歴史は、西欧の歴史と文化のなかに深く刻印されていることにちがいない。ここの部分は、理念的なヒューマニズムを語るだけでは、どうしようもないことかと感じるところがある。イスラエルの人びとの間の意見の対立も、容易には解消できないかと思うことになる。民族と宗教と歴史が複雑に重層的にからんだ問題である。
強いていえばということになるが、イスラエルについて、その自衛の権利があることは認められるべきだろう。もとめるとするならば、その過剰な行使について、ということになる。だが、その制限について、それが具体的にどのようなことについてなのか、イスラエルやパレスチナ、さらには国際社会において、共通する合意点が見いだせないのが、現実的な課題といっていいだろうか。最低限、国際法の遵守、戦争にもルールがある、ということになるだろうか。
2024年10月7日記
NHKスペシャル “正義”はどこに ~ガザ攻撃1年 先鋭化するイスラエル~
ではどうすればいいのか、その道筋が見えない。
イスラエルの内部においても、人びとの意見は分断して対立している。パレスチナの地は、すべてユダヤ人のものであると固く信じて疑わない人たちが、よりその考え方を強固なものにしていっている。一方で、(番組のなかでは言っていなかったことではあるが)、ハマスなどいわゆるイスラム過激組織にしてみれば、この世界からユダヤ人がいなくなればいいと思っている。少なくとも、そのような主張は、いろんな報道から聞こえてくる。この対立が、国家のレベルから、個人の考え方のレベルまで、浸透して対立が激化するなかで、容易に解決の糸口は見出しがたいだろう。
現実的な道筋としては、人質の解放と停戦、ということぐらいしかないかもしれない。一方的に、イスラエルの非人道的な戦闘を非難するだけで、ことがおさまるとは思えない。イスラエルの内部において、現在のネタニヤフ政権が崩壊するという事態にならないかぎり、どうにもならないかもしれない。
よく分からないのは、ユダヤ人のナショナリズム(といっていいのだろうか)である。ユダヤ人としてのパレスチナの地に対する思いと、団結の精神、これがどのような歴史的経緯があって、今にいたっているのか、ここのところを理解しない限り、どうにもならないかもしれない。おそらくユダヤ人の歴史は、西欧の歴史と文化のなかに深く刻印されていることにちがいない。ここの部分は、理念的なヒューマニズムを語るだけでは、どうしようもないことかと感じるところがある。イスラエルの人びとの間の意見の対立も、容易には解消できないかと思うことになる。民族と宗教と歴史が複雑に重層的にからんだ問題である。
強いていえばということになるが、イスラエルについて、その自衛の権利があることは認められるべきだろう。もとめるとするならば、その過剰な行使について、ということになる。だが、その制限について、それが具体的にどのようなことについてなのか、イスラエルやパレスチナ、さらには国際社会において、共通する合意点が見いだせないのが、現実的な課題といっていいだろうか。最低限、国際法の遵守、戦争にもルールがある、ということになるだろうか。
2024年10月7日記
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