BS世界のドキュメンタリー「絶滅種が復活?! 野生動物保護の危うい未来」 ― 2025-04-24
2025年4月24日 當山日出夫
BS世界のドキュメンタリー 「絶滅種が復活?! 野生動物保護の危うい未来」
2024年、ドイツの制作。
マンモスの復活のプロジェクトがあることは知っていたのだが、具体的に、どういう状況で進行しているのか、ということは知らなかった。たぶん、近いうちに、マンモスの復活ということは、実現する可能性がある。
この番組を見て興味があるのは、バイオテクノロジーの企業である、コロッサル・バイオサエンシズに投資してるのは、どういうことを考えてのことなのだろうか、ということである。たしかにマンモスの復活ということは、知的には関心のあることにはちがいないが、しかし、ビジネスになる話しではないように思える。巨額の投資をして得られる見返りは、おそらくは、この技術が将来的には、さまざまな産業や、それから、医療などの分野に、応用ができる可能性がある、ということを考えてのことだろうと思う。しかし、そのような未来が、そう希望に満ちたものであるとは、私には、どうしても思えない。
生物は、DNAによって決定される……という考え方が、基本にはある。だが、実際の野生の生物の行動を見るならば、すべてがDNAで説明できるとは限らないだろう。その生まれ育った環境……気候風土などの自然環境、どのようなものをエサとして食べればいいのか、周囲の動物たちとのつきあいから、天敵から身を守る方法……こういうことは、その動物が、育っていく中で、母親や仲間から教えられる部分というのがあるにちがいない。こういうことが継承されないで、その生物が野生のなかで生きていけるのだろうか。また、それを、生物多様性の復活といえるのだろうか。
番組のなかに出てきた事例では、キタシロサイのことは、かろうじて許容できるかもしれない。まだ、絶滅したわけではない。大人の動物から(二頭しか生きのこっていなが)から、自然での生き方を学ぶこともできるだろう。
しかし、マンモスはどうだろうか。フクロオオカミが復活したとしても、狩りの仕方を、どうやって身につけて野生で生きていくことになるのだろうか。
生物多様性というのは、ダイナミックな動きをするものである、という視点も重要だろう。地球上に生物が誕生してから、絶滅してしまった生きものの方が、圧倒的に多い。現代でも、生物の世界は、常に変動していると考えることの方が自然だろう。ただ、今では、人類の影響が非常に大きくなって、その変化が急激である、ということはある。
生物にとって自然環境で生きていくということはどういうことなのか、生物にとってDNAとはいったい何なのか、こういうことへの根本的な考察が求められているということはたしかなことだろうと、私は思うのである。
2025年4月18日記
BS世界のドキュメンタリー 「絶滅種が復活?! 野生動物保護の危うい未来」
2024年、ドイツの制作。
マンモスの復活のプロジェクトがあることは知っていたのだが、具体的に、どういう状況で進行しているのか、ということは知らなかった。たぶん、近いうちに、マンモスの復活ということは、実現する可能性がある。
この番組を見て興味があるのは、バイオテクノロジーの企業である、コロッサル・バイオサエンシズに投資してるのは、どういうことを考えてのことなのだろうか、ということである。たしかにマンモスの復活ということは、知的には関心のあることにはちがいないが、しかし、ビジネスになる話しではないように思える。巨額の投資をして得られる見返りは、おそらくは、この技術が将来的には、さまざまな産業や、それから、医療などの分野に、応用ができる可能性がある、ということを考えてのことだろうと思う。しかし、そのような未来が、そう希望に満ちたものであるとは、私には、どうしても思えない。
生物は、DNAによって決定される……という考え方が、基本にはある。だが、実際の野生の生物の行動を見るならば、すべてがDNAで説明できるとは限らないだろう。その生まれ育った環境……気候風土などの自然環境、どのようなものをエサとして食べればいいのか、周囲の動物たちとのつきあいから、天敵から身を守る方法……こういうことは、その動物が、育っていく中で、母親や仲間から教えられる部分というのがあるにちがいない。こういうことが継承されないで、その生物が野生のなかで生きていけるのだろうか。また、それを、生物多様性の復活といえるのだろうか。
番組のなかに出てきた事例では、キタシロサイのことは、かろうじて許容できるかもしれない。まだ、絶滅したわけではない。大人の動物から(二頭しか生きのこっていなが)から、自然での生き方を学ぶこともできるだろう。
しかし、マンモスはどうだろうか。フクロオオカミが復活したとしても、狩りの仕方を、どうやって身につけて野生で生きていくことになるのだろうか。
生物多様性というのは、ダイナミックな動きをするものである、という視点も重要だろう。地球上に生物が誕生してから、絶滅してしまった生きものの方が、圧倒的に多い。現代でも、生物の世界は、常に変動していると考えることの方が自然だろう。ただ、今では、人類の影響が非常に大きくなって、その変化が急激である、ということはある。
生物にとって自然環境で生きていくということはどういうことなのか、生物にとってDNAとはいったい何なのか、こういうことへの根本的な考察が求められているということはたしかなことだろうと、私は思うのである。
2025年4月18日記
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