『カムカムエヴリバディ』「1962-1963」「1963-1964」2025-02-09

2025年2月9日 當山日出夫

『カムカムエヴリバディ』「1962ー1963」「1963ー1964」

この週は、るいとジョーの関係が深まる展開になり、金曜日に放送の回で、ジョーがるいとの結婚の意思を、竹村クリーニング店の夫婦に伝える、ということになった。

印象的なシーンがいくつかある。

海岸にるいとベリー、そして、ジョーとトミーで、ドライブに出かける。四人の登場人物の海辺での会話のやりとりで、それぞれが、それぞれの気持ちに気づいていくという運びになっていた。

ジョーがトランペットのコンテストに出場するための衣装選びを、るいと一緒にするシーン。最後の、試着室での場面は、実にたくみである。

Night and Day でのコンテスト。このとき、テレビの画面では、ステージでの演奏と、映画……モモケンと虚無蔵が出ている……が、切り替わる演出になっていた。これは、このドラマが、これから京都に舞台を移して、映画村や撮影所、時代劇の役者たち、こういう人びとを描くことになる、非常にたくみな伏線になっている。なるほど、殺陣のこのシーンが、これからドラマのなかでどう使われることになるのかと、思って見たことになる。

コンテストに着る衣装を汚してしまったジョーは、るいに洗濯を頼むことになる。楽屋で待っているジョーの姿と、店で洗濯の仕事をするるいの姿が、印象に残る。このドラマの良さの一つは、仕事をする人間の動作を具体的に描いていることである。るいの仕事をする姿を描くことを通じて、るいのジョーに対する思いが、画面で表現されていたと感じる。

ジョーは、クリーニング店を訪れて、竹村夫妻に、るいと結婚することを許してほしいと告げる。このとき、ジョーと竹村夫妻の前で、るいが畳のうえでお辞儀をするのだが、その動作がきれいである。るいの気持ちが表現されていると同時に、そのお辞儀の動作で、るいが岡山の雉真の家できちんとしたしつけを受けて育ってきた娘であったことが、分かる。

岡山の定一の喫茶店、ディッパー・マウス・ブルースにいた少年は、ジョーであったことが明らかになる。このとき、安子とるい、それから、ジョーが、同じ店のなかにいて、「On the Sunny Side of the Street」を聞いていたことになる。この曲は、やはりるいにとっても、ジョーにとっても、特別な曲である。

2025年2月7日記

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