文学は書かれたものだけですか(2) ― 2008-09-20
2008/09/20 當山日出夫
通常、文学、あるいは、文学の研究、というと、「作品」として「書物」になったものだけを、さしている場合が多い。これは、暗黙の了解、ということであろうが、しかし、時には、このようなことに、疑念をさしはさんで見る必要も感じる。
日本文学科・国文科の学生に、日本語史・国語史の授業で、4月、まず最初に、このような問いから始めることにしている。
日本文学とは何ですか。
書かれたものだけですか。その「ことば」は、日本語だけですか。「日本人」が書いたものだけですか。
稚拙な問いかけかもしれないが、毎年、繰り返して同じ話しをする。最近では、いわゆる「ケータイ小説」なるもの、あるいは、ブログ、(もう、ちょっと話題としては古いかもしれないが)、などがある。紙で書物となったものだけが、文学作品ですか、とも問いかけてみる。
問いかけながら、自分でもいろいろ考えるが、あまり進歩がないなあ、というのが正直なところではあるが。
當山日出夫(とうやまひでお)
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