『江戸漢詩』から2018-11-23

2018-11-23 當山日出夫(とうやまひでお)

『失われた時を求めて』(プルースト、岩波文庫版)を読んでいる。今、一一巻目である。このような本を読んでいると、他の小説類などあまり読む気がしなくなる。

すこし以前に読んだ本で、手元にあるものから。

やまもも書斎記 2018年10月18日
『古典を読む 江戸漢詩』中村真一郎
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/10/18/8977518

中村真一郎.『古典を読む 江戸漢詩』(同時代ライブラリー).岩波書店.1998 (岩波書店.1985)
https://www.iwanami.co.jp/book/b270253.html

この本から一首ひいておきたい。

井辺移植牽牛花
狂蔓攀欄横複斜
汲綆無端被渠奪
近来乞水向隣家

中村真一郎は、このように読み下している。

井辺、移シ植ウ、牽牛花、
狂蔓欄ヲ攀ジテ、横マタ斜ナリ。
汲綆端ナクモ渠ニ奪ハレ、
近来、水ヲ乞フテ、隣家ニ向フ。

作者、六如。この詩については、「朝顔につるべとられて貰ひ水」(加賀の千代女)を漢詩に読んだものという(富士川英郎の指摘らしい。)江戸時代、漢詩という文学において、市井の生活の一コマを鮮やかに描き出しているものである。

追記 2018-12-21
この続きとして、
やまもも書斎記 2018年12月9日
『江戸漢詩』から(その二)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/12/09/9010092

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