『おちょやん』あれこれ「あんたにうちの何がわかんねん!」2021-01-31

2021-01-31 當山日出夫(とうやまひでお)

『おちょやん』第8週「あんたにうちに何がわかんねん!」
https://www.nhk.or.jp/ochoyan/story/08/

前回は、
やまもも書斎記 2021年1月24日
『おちょやん』あれこれ「好きになれてよかった」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/01/24/9340454

この週で京都編はおわりになって、次週から再び道頓堀にもどるようだ。

印象に残っているのは、次の二つぐらいか。

第一に、なんといっても父親のテルヲである。

おそらく、歴代の朝ドラ史上において、最低最悪の父親といってよい。博打で借金をこしらえては、娘の千代のところに無心にくる。京都の撮影所で映画女優として、ぼちぼち名前の出始めていた千代のところにやってくる。撮影所にのりこみ、果ては、貯金までうばおうとする。

そんな父親に、千代は、こんどこそ愛想がつきはてたようだ。もっていた財布をなげつけて、全財産をわたす。金の切れ目が、縁のきれめ……さて、二度と再テルヲは千代のもとに姿を現すことはないのだろうか。

千代のためには、これっきりの方がいいにちがいないのだが、ドラマとしては、もう一回出てきてもいいような気がしないでもない。

第二に、千代をめぐる二人の男性。

助監督の小暮は、千代と結婚したという。だが、千代はそれをことわる。女優の仕事をつづけたいと語る。

一方、昔なじみの一平も姿を現す。しかし、一平は、千代の気持ちをわかろうという意志をしめさない。人の気持ちなどわかるものではないと、つめたくつきはなす。

千代をめぐって、二人の男性が対照的に描かれていた。(このドラマのこれからの展開としては、千代は一平とともに歩むことになるのだろうが。)

以上の二点が、この週を見て思ったことなどである。

京都編が終わって、もうカフェーキネマの人びとは登場しなくなるのかと思うと、ちょっとさびしい。場末のカフェーではあったが、店長や女給の仲間は、みないい人ばかりであった。

次週以降、また道頓堀にもどって、芝居の話しになるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2021年1月30日記

追記 2021-02-07
この続きは、
やまもも書斎記 2021年2月7日
『おちょやん』あれこれ「絶対笑かしたる」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/02/07/9344837