「世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ理想の50s」2022-05-09

2022年5月9日 當山日出夫(とうやまひでお)

世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ理想の50s
https://www.nhk.jp/p/ts/GLP33Y7513/episode/te/5R612YJ33Z/

二〇二二年五月七日の放送。録画しておいて、翌日の朝に見た。

面白かった。が、率直な感想としては、ちょっと内容を詰めこみすぎてあるかなという印象がある。第二次世界大戦後の世界を動かすことになる、アメリカ発のサブカルチャー、それは、二〇世紀の後半の歴史を大きく変えることになる。若者の反乱の時代であり、ベトナム戦争反対であり、またさらには、共産圏の崩壊ということにまでいたる。その流れのスタートを、アメリカの戦後五〇年代にもとめている。

映画とか、テレビとか、音楽とか……まさに、サブカルチャーのジャンルになるが……において、どのようなアメリカという国が描かれ、どのような生き方が理想とされ、そのなかで、若者たちの時代になって、何を生み出していったのか。

興味深かったことは、サブカルチャーを生み出した若者たちは旅に出た。一人で世界に出て行くことになる。これはこれでよく分かることなのだが、番組では、それは、西部劇に描かれた男たちのイメージと重ねて解説していた。これは面白い指摘である。自由で独立した人間の生き方を、新しい時代の若者がもとめた。しかし、それは、西部劇に見られる、ある意味で保守的なアメリカの人びとの生き方にならったものでもあった。

西部劇もまた、アメリカという国が、近代になって新たに作りだした「伝統」……番組ではこのような表現は使ってはいなかったが……であることも重要だろう。白人によるフロンティア開拓の物語としての西部劇である。

それから、紹介されていた映画などのいくつか、『ローマの休日』『真昼の決闘』『裏窓』など、どれも記憶にあるものだが、なるほどサブカルチャー史という歴史の文脈のなかにおいてみると、そのような解釈ができるのか、新鮮なおどろきもあった。

次週も録画しておいて見ることにしよう。

2022年5月8日記

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