『謎の部屋』北村薫(編)2021-02-25

2021-02-25 當山日出夫(とうやまひでお)

謎の部屋

北村薫(編).『謎の部屋-謎のギャラリー-』(ちくま文庫).筑摩書房.2012 (新潮社.2002 増補)
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480429612/

『こわい部屋』に続けて読んだ。これも今では売っていない。古本で買った。

収録してあるのは次の作家。

宇野千代
阿部昭
里見弴
都井邦彦
城昌幸
西條八十
カリール・ジブラン
ジェラルド・カーシュ
クルト・クーゼンベルク
ジェイムズ・B・ヘンドリクス
ハリイ・ミューハイム
古銭信二
小沼丹
マージャリー・アラン
ジョヴァンニ・パピーニ
M・B・ゴフスタイン
ジョン・P・マクナイト

これも解説は、北村薫と宮部みゆきの対談になっている。

『謎の部屋』というタイトルであるが、これは特に「本格」を集めてみたというアンソロジーではないようだ。むしろ、どこかしら奇妙な味わいのある作品を集めてある。

収録されている作家は、名前を知っている(読んだことのある)作家もいれば、ここで始めて名前を見る作家もいるというのが、正直なところ。このアンソロジーを読まなければ、読まずにすごしてしまった作家が多い。

新潮文庫版ではもうないし、ちくま文庫版でも、今では刊行していない。ちくま文庫版の「名短篇」のシリーズを出しているのだから、これも続けて刊行してくれればいいと思う。「名短篇」に続けて読んだことになるのだが、「謎のギャラリー」もまたすぐれたアンソロジーになっている。

このシリーズ、かつて新潮文庫で出たときに、何故か買いそびれていた本である。ちくま文庫で出たときも、買いそびれている。北村薫の著作は、だいたいチェックしてきたつもりでいるのだが、もれてしまっていた。

それにしても、よくこのようなアンソロジーをあんだものであると感心する。その読書の幅と深さは、さすがである。これをきっかけに、この種のアンソロジーも読んでいってみたいと思う。

2021年2月21日記

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