はじめてのパソコン教室2009-04-15

2009/04/15 當山日出夫

できたての建物(校舎)の、できたばっかりのパソコン教室。

先週、第1回目は、どのカギで、どこがどうなるのか、どこを開ければ何があるのか、さんざん迷う。迷って開けたキャビネットのなかの、どのボタンをおせば、何がどうなるのか、さっぱりわからない。教師用のパソコンの画面で表示のパワーポイントを、プロジェクタに映し出せなかった。しかたがたないので、持って行った自分のレッツノートをつかう。これで、どうにかなった。

今週になって、ようやく、プロジェクタに画面を映す方法がわかった。教師用のパソコンに接続してある二つのディスプレイのうち、となりにある方をメインの設定にすればいいことが分かった。でも、なんで、教師用のディスプレイがダブルなんだろう、という気もしたが。

エアコンのスイッチ、ONにするのか簡単だが、換気とか、最後は、どのようにしておけばいいのか、まったく案内も何もない。

教員用のコンピュータに入っている、教室管理ソフト。つかいかたがさっぱりわからない。たぶん、ヘルプを見てください、ということのようだが、そんな時間あるわけがない。ためしてみて、学生のマシンを操作できなくしてしまうことだけは、できた。たぶん、操作を覚えるころには、少なくとも今年度の授業は終わっている(だろう)。

というわけで、あたらしい、ピッカピカのパソコン教室は、迷うことだらけなのである。

たぶん、来週も迷うとおもう。

當山日出夫(とうやまひでお)

『ARG』370号:中尾佐助データベース2009-04-15

2009/04/15 當山日出夫

「ARG」の370号で紹介。さっそく見てみる。
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090405/1238939385

中尾佐助スライドデータベース
http://nakao-db.center.osakafu-u.ac.jp/index.html

学術資料の研究アーカイブズという性格も持っている。見ての感想を少し。

やはりこの種のDBの検索において、ただ、検索語を入力というのは、とまどう。「キーワード検索」は、そのDBの内容をある程度知ってる人でないとつかえない。

仕事として大変であることはわかるが、キーワードの一覧、(できれば、シソーラス)が、あった方がいいと思ってしまう。どのような語を入れるといいのか、わからないのが困る。専門家はわかるのかもしれないが。

たぶん、作った当事者でないと、キーワードのことは、わからないのではないか。ここは、あえて苦言をのべた。これだけのDBを作成した努力が、むくわれるのは、一般の利用においてであると考える。(この意味では、学術的なDBの多くは、作った人でないと使えないキーワード検索、というのが多い、と思うがどうであろうか。)

ところで、その一方、この中尾佐助DBは、「地図検索」という便利な機能がある。これは、すばらしい。キーワードは分からなくても、地図で、この箇所と指示すると、地名の一覧が出て、そこから画像データを見ることができる。

これは、すばらしいアイデアであると思う。(たぶん、どこで撮影されたか、特定するのが大変だったと思う。)

非常にすぐれた内容のDBであっても、その検索機能、ユーザインターフェースによって、まったく何もわからなかったり、いろいろ試してみて、発見があったりする。DBは、もちろん中身も大事であるが、その利用の方法も、非常に重要であると思った。

このデータベースの今後の発展に期待したい。

當山日出夫(とうやまひでお)

漢字検定と新常用漢字2009-04-17

2009/04/17 當山日出夫

これを書いている時点での最新ニュースでは、今年度の漢字検定の試験は、中止の方向、かもしれない。

まあ、漢字検定のボロもうけ主義については、いろいろ、かねてよりウワサのあったことである。こうなる前に、自浄能力でどうにかならなかったものかと思う。現在のように規模が拡大し、なかば公的な存在になると、運営の倫理観がともなう。

現在、「新常用漢字表(仮称)」試案、のパブリックコメントの締め切りが済んだ段階。

新常用漢字、これについて、漢検は、何も言う気がなかったのか、言えなかったのか、あえて言わなかったのか、このあたりは、気になるところである。問題で、「謎」という字を書いて、「しんにゅう」の「てん」が一つでも二つでもどちらでもいいのか、どちらかが正解であるのか、明瞭な判断をしめさなければならない。また、当然ながら、出題範囲の文字も変わる。(採点もかなりいいかげんだったようなので、どうでもいいことか。)

個人的に思うこととしては、今回の新常用漢字について、漢検としても、意見を表明すべきであったと思う。表明したのだけれど、私が知らないだけか。

當山日出夫(とうやまひでお)

新常用漢字:パブリックコメント2009-04-17

2009/04/17 當山日出夫

私の送信したパブリックコメントの一部を、「明窓浄机」の方に書いておきました。

明窓浄机 私の送ったパブリックコメント
http://d.hatena.ne.jp/YAMAMOMO/20090417

まあ、要するに、基本となっている調査データからしてダメである、ということなのですが、それを、どう表現するといいかとなると、困る。

信用される漢字表のためには、信頼できるデータと、それに基づく信頼できる調査、なのだと思っています。

當山日出夫(とうやまひでお)

記録を残せ:新常用漢字とアーカイブズ2009-04-17

2009/04/17 當山日出夫

新常用漢字のパブリックコメントで、私は、情報の開示をもとめた。それは、いいかえれば、調査データと、審議の議事録を残すことである。

その理由は、「新常用漢字表(仮称)」という公的な漢字集合を決めるにあたって、どのような経緯があったか、残さなければならない、その義務が日本国政府には、また、それを要求する権利が、われわれ(国民)にはある、からである。

映像学部でのデジタルアーカイブ論で、『アーカイブ事典』からの、引用として、フランスのミッテラン大統領のことばを、学生に紹介している。1988年の国際文書館評議会世界大会。

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すべての国のアーカイブズは過去の行為の軌跡を保存するものであり、同時に現在の問題をも照らし出してくれるものである。過去はそのままにしておくと消え去ってしまうから、記録を残すよう努力をはらわなければならない。記録を処分するかどうか、つまり生きてきた存在証明を残すかどうかは私たちの判断にかかっている。この存在証明は積み重なって世の中のできごとがどのように組み立てられているかを知る手段となり、私たち世界のすべての人びとはそれを知る権利がある

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公文書は、アーカイブズとして残されなければならない。そして、その公文書を書くための「目安」である「新常用漢字表(仮称)」の制定のプロセスも、アーカイブズとして残す必要がある。日本国政府には、その義務がある。「新常用漢字表(仮称)」の制定が、我が国の「国語施策」として正しいものであったかどうか、その判断は、後世にゆだねられる。そのための資料(史料)を、残さなければならない。

これは、「新常用漢字表(仮称)」の是非をめぐる議論とは、また別のことである。だが、この発想を持たないで、「新常用漢字表(仮称)」を決めることは、現代の社会において、倫理的に反する行為である。

小川千代子・高橋実・大西愛(編著).『アーカイブ事典』.大阪大学出版会.2003

當山日出夫(とうやまひでお)

漢検のゆくえ2009-04-18

2009/04/18 當山日出夫

ここ数日、新聞を見ると漢検のことばかり。

今日、HPを確認すると、今年度の検定は、予定どおり実施とのこと。今、学校単位で、団体受験のところが多いから(だから、ボロもうけできているわけであるが)、新学期が始まってから、やめにします、というわけにもいかない。

ということなら、たぶん、文章能力検定も無事に実施される(だろう)。文章能力検定は、漢字検定の子分のような存在だから、親ガメがこけると子ガメもこけてしまう。

それにしても、たまにテレビを見て、漢字検定の問題など出てくると、「漢検ごときに負けてなるものか」という気になってしまう。私だけだろうか。特に、奇妙な熟字訓など、書けなくても、それが当たり前であるとは、わかっているのだが。

noriさんのおっしゃるように、新常用漢字(仮称)の方向によっては、漢検の問題や採点方法は、変わるかもしれない。あるいは、「箸」「進捗」「賭博」などの字は、出題しないでおく、という手もある。読めればいいのであって、書くとなると、正解が2種類になる可能性がある。「進捗」と「頻度」と「歩」と、区別して覚えろと言う方が無理だと思う。

「しんにゅう」の「てん」は、一つでも、二つでも、OK。しかし、三つ書いてはダメ、というあたりが、現実的な判断だし、実際には問題ないのだと思う。無理矢理、杓子定規にならない。字体も、ある程度の「ゆれ」があり、その「目安」をしめす、というのも「新常用漢字表(仮称)」のあり方であると思う。

漢字のことばかり書いているので、ブログのカテゴリに「漢字」を追加してしまった。

當山日出夫(とうやまひでお)

鬭の字体2009-04-19

2009/04/19 當山日出夫

「鬭」(1-94-31)、MS明朝で、バージョンによって字体が違うことは、先月の京大人文研のセミナーで、安岡さんから教えてもらった。自分のパソコンでも確認してみた。

で、気になって見てみると、JS平成ゴシックW5[JIS X 0213:2004]でも、違う。JS平成明朝W3[JIS X 0213:2004]と違っている。

フォントファミリーのはずなのに、どうしてなのだろう。

ところで、「しんにゅう」の問題。さしあたって、現在~将来のことを考えると、明朝体のデザインと、手書き文字の違いを、どう考えるかということになる。ただ、少なくとも、固有名詞で「辻」の場合は、かなり強く意識するようである。

當山日出夫(とうやまひでお)

「しんにゅう」の書き方2009-04-20

2009/04/20 當山日出夫

漢字は部首からなる。そして、それら、「部分字体」は基本的に統一的である、というのが、基本の理解でしょう。

しかし、日本の現状では、

1.教育漢字など、ごく身近に接し、手書きで書くことを習っている字については、「てん」は一つ。
「道」「進」「運」「連」とか。

2.なんとなく、普段あまりつかわなく、難しそうで、いわゆる「旧漢字」かなと、ひとびとが感じる字については、「てん」が二つに書かれる可能性がある。
「遡」「遜」とか。あるいは、「邁」「遽」など。

3.実際には、上記(1)(2)の中間段階の字がかなりあるだろう。
「謎」とか。

たぶん、(3)のグレーゾーンの字が、手書き文字としては、問題になる可能性がある。まあ、読めればいい、書ければいい、という意味では、強いて「しんにゅう」の「てん」を、厳密に規定することもないとおもう。コミュニケーションに支障がなければいい、と割り切ってしまえば。

だが、公用文としては、きちんとすべきだろう。小形さんの指摘しているように「飛翔体」ではないけれど。

當山日出夫(とうやまひでお)

発表は自己紹介からはじめる2009-04-20

2009/04/20 當山日出夫

今週末は、学習院大学で、日本アーカイブズ学会。話す内容は、文字、のこと。

たぶん、集まる人は、アーカイブズ学の専門家ばかりではないだろう。これから、日本でアーカイブズ学を構築していこうという学会だし。とすると、いろんな人があつまる。

であるならば、パワーポイントの最初の2枚ぐらい、簡単な自己紹介、つまり、自分の研究のバックグラウンドを説明した方がいいかと思う。なぜ、平安時代ごろの古写本を読むような勉強をしていた人間が、コンピュータ文字、さらには、その、文字のアーカイブズのことを考えているのか、背景説明があった方がいいかと思う。

さて、その2~3枚のスライドを、どうしようか、困っているのである。

當山日出夫(とうやまひでお)

このところミスが多い2009-04-21

2009/04/21 當山日出夫

このところ、忙しいのと、疲れているのとで、日常的にミスが多い。

メールアカウントを、まちがって書いて、学生に示したり。09年度であるのに、08年度の、数字を書いてしまった。(さっそく訂正プリントをつくらないといけない。)

CH研究会の発表論文のページ数をまちがえたり。8ページの意味を誤解してしまっていた。よく、説明をみればわかったものを。

PDFの作り方でとまどったり。これは、私のせいというよりも、マイクロソフトと、アドビの責任、と言いたいが。

ともあれ、アーカイブズ学会での発表が終わって、連休に、すこしでも休みたい気分。本も読みたいし。今、てもとにある本、『動的平衡』(福岡伸一)。清水義範の文庫版パスティーシュ、買っただけの状態。

當山日出夫(とうやまひでお)