「100分de名著forユース (4)言葉で自分を見つめ直す 「石垣りん詩集」」2024-03-28

2024年3月28日 當山日出夫

100分de名著forユース (4)言葉で自分を見つめ直す 「石垣りん詩集」

石垣りんは読んだことがない。若いころ、文庫本で読める詩集は読んだつもりでいるが、そのときにはまだ刊行になっていなかったことになる。

詩といって思うことは、中学、高校のころの国語の教科書は、きまって詩からはじまっていた。私のわかいころは、詩は、学校の国語教科書で読むか、文庫本で読むか、という時代だった。高校生になってからは、中央公論社の「日本の詩歌」シリーズを買って読むことになった。全部を買うということはなかったが、半分ぐらいは買って読んだだろうか。紫色の装釘が印象に残っている。これは、後に中公文庫でも刊行になるのだが、もう老眼になると小さい字がつらくなってきたので、文庫版には手を出していない。

番組であつかってあった、石垣りんの詩は、およそ古風な詩情とはほどとおいものである。日本文学における詩情は、古くは『万葉集』の時代にさかのぼることになる。その流れのなかにあって、近代の個として自己をきわめて肯定的に描き出していると感じる。しかし、近代詩があつかってきた近代の憂愁というべきものは感じない。新しい詩の表現である。あるいは、そのように生きた一人の人間のことばとして読むことになるだろうか。

なるほどこのような詩の世界があるのかと、興味深く思って見ていた。

番組の企画として若い人向けということのようだが、今の若い人は、このような詩をどう読むだろうか。

2024年3月26日記

フロンティア「アルツハイマー病 克服に挑む」2024-03-28

2024年3月28日 當山日出夫

フロンティア アルツハイマー病 克服に挑む

レカネマブがアルツハイマー病の薬として認可されたときのことはニュースになったのを憶えている。そのときは、一つの薬ができたというぐらいの認識でいた。

このレカネマブの開発に遺伝性のアルツハイマー病の遺伝子を持つ人びとの協力のもとに、研究開発が行われたことは知らなかった。たしかに、医薬品の開発には、まずその病気がどのようにして発生するのか、そのプロセスの解明が重要であることは、理解できる。この観点からは、プロジェクトに参加してくれた人びとに感謝するしかない。

番組の意図とは違うところで思うことがある。自分の遺伝子を知る権利といえばいいのだろうか、これについて、日本の現状はどうなっているのかが気になったところである。おそらく、遺伝性のアルツハイマー病については、日本でも研究があるのだろう。その場合、病気を発症する可能性について、自分の遺伝子情報を、自ら知る権利はあるにちがいない。また一方で、それを知りたくないという場合は、知らずに生きるということも選択肢としてあってよい。

アルツハイマー病以外にも遺伝子に起因する病気はある。これらの病気について、個人の遺伝子情報のとりあつかいについては、今の日本でどのような議論がなされているのだろうか、このあたりについて考えるべき必要があるにちがいない。

2024年3月27日記

2024-03-28

2024年3月28日 當山日出夫

桜 2024年3月28日撮影

桜

桜

桜

桜

Nikon D500
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD