「100分de名著forユース (4)言葉で自分を見つめ直す 「石垣りん詩集」」2024-03-28

2024年3月28日 當山日出夫

100分de名著forユース (4)言葉で自分を見つめ直す 「石垣りん詩集」

石垣りんは読んだことがない。若いころ、文庫本で読める詩集は読んだつもりでいるが、そのときにはまだ刊行になっていなかったことになる。

詩といって思うことは、中学、高校のころの国語の教科書は、きまって詩からはじまっていた。私のわかいころは、詩は、学校の国語教科書で読むか、文庫本で読むか、という時代だった。高校生になってからは、中央公論社の「日本の詩歌」シリーズを買って読むことになった。全部を買うということはなかったが、半分ぐらいは買って読んだだろうか。紫色の装釘が印象に残っている。これは、後に中公文庫でも刊行になるのだが、もう老眼になると小さい字がつらくなってきたので、文庫版には手を出していない。

番組であつかってあった、石垣りんの詩は、およそ古風な詩情とはほどとおいものである。日本文学における詩情は、古くは『万葉集』の時代にさかのぼることになる。その流れのなかにあって、近代の個として自己をきわめて肯定的に描き出していると感じる。しかし、近代詩があつかってきた近代の憂愁というべきものは感じない。新しい詩の表現である。あるいは、そのように生きた一人の人間のことばとして読むことになるだろうか。

なるほどこのような詩の世界があるのかと、興味深く思って見ていた。

番組の企画として若い人向けということのようだが、今の若い人は、このような詩をどう読むだろうか。

2024年3月26日記

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