『ARG』318号2008-04-14

2008/04/14 當山日出夫

ARGの318号について、いささか。

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080413/1208081624

結果的にであるが、今回318号を見て、さっそく、オンラインの書店のいくつかに、注文をしてしまった。注文して買うのはよいが、それを、じっくり読んでいる時間があるかどうか。さらには、その本について、自分自身で、多少なりとも感想でも書けるかどうか、こころもとない。

ARGとイベント案内にあった、日本アーカイブズ学会には出席の予定。HPで見ると、別に会員限定ではなさそうなので、出ておこうと思う。渋沢財団のビジネスアーカイブについての発表もあるし、また、明星聖子さんの発表は是非とも聞いておきたい。

人文学研究にかかわるもので、コンピュータを使わない、というのは、かなりの少数になってきている。使わないなら、使わないで、別にそれで、悪いとは思わない。

それよりも、たちが悪い、と感じるのは、コンピュータの利用(インターネットのコミュニケーションや、資料のデジタル化)について、無自覚な人が多いこと。コンピュータをつかったからといって、人文学研究の本質が変わるわけではない、と言う人もいる。それは、そうかもしれない。(実は、私自身も、この意見には、半分同感である。)

だが、やっぱり変わっていかざるをえないだろう。社会のあり方そのものが、コンピュータやインターネットによって大きく変わっているのだから、その上にある、人文学研究が、何も影響を受けないはずはない。

では、何がどうかわるのか……となると、ここから先が、混沌としている。だが、このようなことを考えるためのヒントになる本や論文が、今回のARG318号では、多く紹介されている。

ただ、個人的に思うことは、どう変わっていってもいいのだが、東京に行く新幹線の中でまで、ノートパソコンで仕事はしたくない。列車に乗っている時間ぐらいは、車窓からの風景を眺めながら、ゆっくりとすごしたいものである。 と、いいながらも、この文章は、授業が始まる前の講師室で書いている。いくら使っているのが、レッツノートであっても、やはり電源は確保したい。できれば、インターネットも。残念ながら、今、いる環境では、無線LANは無い。(送信は、家に帰ってから。)

それから、6月に岡本さんが京都においでになる、ということであるならば、オフ会を企画したい。立命館のグローバルCOE(日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点)や、同志社の文化情報学部、さらには、京都近辺にいるCH研究会の関係者、なるべく声をかけてみようと思っている。

當山日出夫(とうやまひでお)

『ARG』318号(2)2008-04-14

2008/04/14 當山日出夫

ARGの318号で指摘してあった問題で気になったのが、浜松医科大学図書館HPの色の問題。

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080323/1206284371

私は、これまでに、色覚異常の人の見え方(辞書のカラー印刷・黒板の赤いチョーク)について、いくつか論文を書いている。で、さっそく、富士通の「ColorDoctor」で、色覚異常シミュレーションを見てみる。

これは、私の判断であるが、浜松医科大学図書館のHPの色遣いは、カラーバリアフリーの視点からは、特に問題はないように思える。そもそも、カラーバリアフリーの発想は、「色だけで識別しないように」ということであると、私は理解している。この意味では、3色正常でも、第1色覚異常(赤)でも、第2色覚異常(緑)、さほど、シミュレーションの結果の見え方に大差はない。

HP全体としては、カラーバリアフリーに作ってある。リンクの箇所を「色」だけを変えて見せる、という観点からは、同じように見える(あるいは、識別しにくい)。この点では、とても、公正な色遣いであるといえよう。

これ以上のことは、作った人の考え方を聞かないとわからない。ただ、医科大学図書館のHPである以上は、「色覚異常」について、まったく無知であるはずはない(だろう、と思う)。

補足(1):以上、用語としては、医学用語として「色覚異常」を使用。その症状の名称は、現在、正規の医学用語としては、変わっているのだが、富士通のColorDoctorの用語(以前の用語)にしがっておく。

補足(2):富士通のColorDoctorは、フリーのソフト。ただ、このソフトは、色の識別についてシミュレーションするのであって、色の見え方の中身までは、わからない。この点をふまえたうえで、使う必要がある。

富士通 カラードクター

http://jp.fujitsu.com/about/design/ud/assistance/colordoctor/

當山日出夫(とうやまひでお)