『使いみちのない風景』村上春樹2019-08-31

2019-08-31 當山日出夫(とうやまひでお)

使いみちのない風景

村上春樹(文).稲越功一(写真).『使いみちのない風景』(中公文庫).中央公論新社.1998
http://www.chuko.co.jp/bunko/1998/08/203210.html

続きである。
やまもも書斎記 2019年8月30日
『うさぎおいしーフランス人』村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/08/30/9147131

村上春樹の軽いエッセイであるが、このような文章を読むとこころが落ち着く。

「使いみちのない風景」
「ギリシャの島の達人カフェ」
「猫との旅」

三つの文章をおさめる。どれも、短いものである。基本的に、写真(左ページ)と短い文章(一パラグラフぐらい、右ページ)という構成である。すぐに読んでしまった。しかし、繰り返して読み直してみたくなる。

旅について書かれたものが多いのであるが、どの文章もきわめて抒情的であると感じる。散文詩といってもいいだろうか。詩情のただよう散文を書ける、この意味で、現代において村上春樹は、すぐれた詩人であると思う。

長大な長編小説を書き、翻訳をするかたわらで、このような詩情あふれる文章を書いているのかと思うと、村上春樹の新たな一面を発見したような気になる。

次に読もうとおもっているのは、『やがて哀しき外国語』である。

追記 2019-09-05
この続きは、
やまもも書斎記 2019年9月5日
『やがて哀しき外国語』村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/09/05/9149531

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/08/31/9147511/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。