黒澤明『用心棒』 ― 2024-01-10
2024年1月10日 當山日出夫
『用心棒』
黒澤明監督、昭和三六年の作品である。元日の午後、BSで放送していたので見た。
私の経験としては、『用心棒』よりさきに『荒野の用心棒』の方を見たかと憶えている。何年前になるだろうか、テレビで『用心棒』が放送になったときは、録画して見た。この時は、VHSで録画した。それが、今ではハードディスク録画である。
久しぶりに見て思うことはいろいろとある。
まず、映像の迫力である。このごろのテレビドラマの時代劇、大河ドラマなどでは、CGなど多用する作り方になっている。昔ながらの野外オープンのセットで撮影した映像は、やはり違うと感じる。無論、黒澤明の映像ということもある。撮影は宮川一夫である。
映画史の上でのこの作品の評価はどうなのだろうか。映画史にはうといので、最近のことは知らない。殺陣のリアリズムということもあるらしい(テレビの番組表を見るとであるが。)だが、今の視点で見ると、確かにリアルなのであるが、それほど劇的な印象は受けない。まあ、今の時代のドラマや映画の方が、よほどリアルに人を斬るシーンを演出しているということかとも思う。
おそらくは、ハードボイルド的な時代劇映画ということになるのだろうか。
気がついたこととしては、殺陣の場面で、刀と刀が打ち合う効果音が入っていない。また、人を斬るときの音も今ほどははっきりしていない。殺陣のシーンで、今のような効果音が積極的に入るようになったのは、いつ頃からのことなのか、映画史の上では論考があるのだろうと思う。
映像の美しさと、それから、音楽がいい。特に、最後の仲代達矢との対決シーンで、宿場町の両方から、徐々に歩いてお互いに近づいていく場面は、非常にいい。思わず見入ってしまった。
助けた女からの手紙をとっくりで隠す場面など、実に見事な演出だと感じる。また、出刃包丁が小道具としてうまくつかってある。
映画で描かれた「侍」の歴史、という観点からは重要な作品ということになるかと思う。また、おそらくは、時代劇映画やテレビドラマ、漫画、時代小説、これらのことを総合的に歴史的に考えることも必要になってくると思っている。どれほど研究は進んでいるのだろうか。
次は、『椿三十郎』を放送するようだ。これも見ることにしようと思う。
2024年1月1日記
『用心棒』
黒澤明監督、昭和三六年の作品である。元日の午後、BSで放送していたので見た。
私の経験としては、『用心棒』よりさきに『荒野の用心棒』の方を見たかと憶えている。何年前になるだろうか、テレビで『用心棒』が放送になったときは、録画して見た。この時は、VHSで録画した。それが、今ではハードディスク録画である。
久しぶりに見て思うことはいろいろとある。
まず、映像の迫力である。このごろのテレビドラマの時代劇、大河ドラマなどでは、CGなど多用する作り方になっている。昔ながらの野外オープンのセットで撮影した映像は、やはり違うと感じる。無論、黒澤明の映像ということもある。撮影は宮川一夫である。
映画史の上でのこの作品の評価はどうなのだろうか。映画史にはうといので、最近のことは知らない。殺陣のリアリズムということもあるらしい(テレビの番組表を見るとであるが。)だが、今の視点で見ると、確かにリアルなのであるが、それほど劇的な印象は受けない。まあ、今の時代のドラマや映画の方が、よほどリアルに人を斬るシーンを演出しているということかとも思う。
おそらくは、ハードボイルド的な時代劇映画ということになるのだろうか。
気がついたこととしては、殺陣の場面で、刀と刀が打ち合う効果音が入っていない。また、人を斬るときの音も今ほどははっきりしていない。殺陣のシーンで、今のような効果音が積極的に入るようになったのは、いつ頃からのことなのか、映画史の上では論考があるのだろうと思う。
映像の美しさと、それから、音楽がいい。特に、最後の仲代達矢との対決シーンで、宿場町の両方から、徐々に歩いてお互いに近づいていく場面は、非常にいい。思わず見入ってしまった。
助けた女からの手紙をとっくりで隠す場面など、実に見事な演出だと感じる。また、出刃包丁が小道具としてうまくつかってある。
映画で描かれた「侍」の歴史、という観点からは重要な作品ということになるかと思う。また、おそらくは、時代劇映画やテレビドラマ、漫画、時代小説、これらのことを総合的に歴史的に考えることも必要になってくると思っている。どれほど研究は進んでいるのだろうか。
次は、『椿三十郎』を放送するようだ。これも見ることにしようと思う。
2024年1月1日記
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