ことばのうみ2009-03-10

2009/03/10 當山日出夫

これも『ARG』からの情報。

宮城県図書館、宮城県図書館メールマガジン「ことばのうみ」を創刊

http://www.library.pref.miyagi.jp/about_us/toroku-merumaga.html

ここには、なぜ『ことばのうみ』であるのか説明が書いていない。以下、推測。

「国語学」という分野にいれば、「ことばのうみ」から連想するのは、『言海』(大槻文彦)。そして、「ことばのうみのおくがき」(『大言海』)。『言海』は、日本近代における本格的な国語辞典のさきがけ。語の五十音順配列。

詳しい伝記はややこしくなるが、大槻文彦は、仙台藩と関係がある。したがって、宮城県→仙台藩→大槻文彦→言海→ことばのうみ、という連想であろうか。

なお、『言海』は、新しい本としては、ちくま学芸文庫にある(複製本)。また、大槻文彦の評伝としては、

高田宏.『言葉の海へ』(洋泉社MC新書).洋泉社.2007.(オリジナルは、1978年、新潮社)

書庫の中をさがせば、学生のときに読んだ新潮社版があるはず。

ところで、この本のオリジナルの奥書にこうある(引用は、現在の洋泉社版から)、

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仙台市の宮城県立図書館では、紹介状があるわけでもなく宮城県民でもない私のために、ひとりの館員の方がほとんど一日つきあってくださって、大槻家関係の文献をふんだんに見ることができた。私の知らなかった大槻文彦の文章も、「たしかあの雑誌」にあったといって探し出してもらった。(p.295)

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當山日出夫(とうやまひでお)

コメント

_ 内田明 ― 2009-03-10 22時31分00秒

はじめまして、宮城県仙台市在住の内田明と申します。ご明察の通り、『言海』の大槻文彦は県立図書館の前身である「宮城県書籍館」の第八代館長も勤めており、そのあたりに思いを寄せて、平成11年に印刷パンフレットの図書館便り「ことばのうみ」が発行されることとなった模様です。詳しくは印刷版のバックナンバーをご参照ください。
http://www.library.pref.miyagi.jp/kotobanoumi/pdf/0102.pdf

_ 松田清 ― 2009-03-11 00時36分04秒

tonsa日記http://d.hatena.ne.jp/tonsa/?of=1で、大槻玄沢のことふれました。宮城県立図書館という誤記、私だけではないことを知り、ほっとしました。大槻文彦の家学(蘭学)に対する思い入れがあまりに強く、蘭学の開拓者である阿蘭陀通詞たちの業績が埋もれたことについては、別に書きたいと思います。

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