「世界最速へ技術者たちの頭脳戦〜スーパーコンピューター「京」〜」2024-06-19

2024年6月19日 當山日出夫

新プロジェクトX 世界最速へ技術者たちの頭脳戦〜スーパーコンピューター「京」〜

見ていて思うところはいろいろとある。

まず、この時期の放送なので、「二位じゃだめなんですか……」の名台詞の場面が放送できないでいることである。これが一ヶ月前だったら、かろうじて放送できたかもしれない。

一位を目指さなければ、技術の開発につながらないし、その継承もできない。

番組の作り方としては、富士通にしぼったものになっていた。これはいたしかたないことかもしれない。政府のこと、理化学研究所のこと、また、他のコンピュータメーカのことなど、様々にあるのだろうと思うが、まったく出てきていなかった。

見終わって思うことは、余計なことかかもしれないが、このような技術開発を一つの企業の内部の人材育成で担うことについてである。番組では、富士通のことだけをあつかっていたので、企業内部での人材育成に話しが偏ってしまった感じがある。これは、その他のメーカとの交流、また、大学との連携が必要になるはずのことである。何よりも、その人材の教育において、大学の教育がどうなのか課題である。

東北大学が、国際研究卓越大学になる。はたして、このような文教政策のもとで、次世代の技術者、研究者が育つのだろうか。また、大学院についても、おそらく博士課程は三年で学位を取って出ろ、という方向に圧力が強まっていくだろう。このようなことで、これからの科学や技術についての教育は大丈夫なのだろうか、と思う。

新しい技術に挑むことは重要である。だが、何よりも重要なのは、そのような人材をどうやって育てるかである。そこにこそ、これからの日本の将来がかかっていると思う。

2024年6月16日記

「21世紀のざしきわらし」2024-06-19

2024年6月19日 當山日出夫

ドキュメント20min. 21世紀のざしきわらし

真正面からこの番組を作るとすると、高齢男性の一人暮らし問題、ということになる。しかし、この問題について、そうではなく、ちょっと距離をおいて幸せとは何かを問いかける視点で考えてみると、ということになる。

まあ、確かに今の生活が安定していて、それで幸せならばそれでいい。これも一つの価値観ではある。今の時代、男女を問わず、このような発想の人たちが増えてきていることになる。

これは、ある意味では、社会が安定していて、ある程度のセーフティネットは期待できる、ということもあるのだろう。今の仕事を失い失業して、ホームレスになる、という未来もなくはないのかもしれないが、そのときにはそのときでなんとかなるにちがいない、そう思っているのかもしれない。

そうはいっても、これから二〇年後、三〇年後、日本の社会はどうなっているのかと気にはなる。人口構造が大きく変われば、それにともなって暮らす人びとの人生についての考え方も大きく変わってくる。

特に悲観的になることもないのかもしれないが、楽観はしていられない、というのが正直な気持ちではある。

2024年6月18日記