学術論文の投稿サイトができるそうだが2008-06-02

2008/06/02 當山日出夫

これも、笠間書院のメールマガジンによる。

笠間書院

http://kasamashoin.jp/

Linux Today

http://japan.internet.com/linuxtoday/20080516/5.html

My Open Archive

http://www.myopenarchive.org/

これは、学術論文の投稿サイト。さっそくここを見てみると、次の論文が投稿されている。

『電子図書館と「館」の希薄化-物理的な、あるいは電子的な』

著者は、min2-fly とある。

笠間書院は、日本語・日本文学関係では、著名な出版社であるが、多くの学術書出版がそうであるように、ほとんど、零細企業といってよい規模である。その笠間書院にとって、あるいは、研究者にとって、このような、論文投稿サイトの出現は、どのような意味があるだろうか。

考えるべきは、研究者の側が、ここに投稿された論文を、業績として評価するかどうか、かもしれない。かりに、査読つき論文であった場合っでも、その著作権は、基本的に著者にある。最近は、機関リポジトリとして、電子化される場合もある。しかし、電子化権を完全に譲渡したとは、いいきれないかもしれない。(このあたり、今後の議論であると思う。)

玉石混交の論文のかたまりになる可能性はあるが、論文というものを、「紙」や「図書館」から、解き放つこころみとして、今後の行く末に注目したい。

また、このようなサイトを紹介している笠間書院メールマガジンの見識も、評価されるべきであると考える。

さらに、これは、デジタル・ヒューマニティーズにとっても、考えねばならない課題である。

當山日出夫(とうやまひでお)

追記

min2-fly

という著者名からすると、おそらく、

『かたつむりは電子図書館の夢をみるか』だろうとおもうが、

http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20080530/1212139135

コメント

_ ただと ― 2008-06-02 21時22分14秒

いわゆる理系業界にはプレプリントというのものがあるんですが(http://jp.arxiv.org/など)、それと同じようなものを目指しているのでしょうかね。自分のD論の主要な引用文献の中にプレプリントの論文があった(正式な論文になる前に、著者が研究業界から離れてしまったためなのですが)ので、著者の業績になるかはわかりませんけど、自分の研究にとって重要な論文になる場合はあるでしょう。

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