ARGカフェ:リアルの信頼性とネットコミュニティ2008-07-13

2008/07/13 當山日出夫

ARGカフェに行ってきた。

最初、岡本さんの話しがあって、ライトニングトーク。ここでは、私も話しをした。そして、全体的な質疑。

ARGカフェ(第1回)

http://d.hatena.ne.jp/arg/20080712/1215795396

これまで、いろんな学会・研究会など(自分の専門である日本語学の学会や、コンピュータ関係の学会)に参加してきた。だが、これほど充実した内容のものははじめてである。たしかに、すばらしい研究発表や講演などには多く接してきた。しかし、その研究会や質疑をふくめて、全体の内容の凝縮されたあつみ、という点では、ARGカフェは、すばらしい。

この背景にあるのは、すでに、ARGというネット空間での信頼感が、参加者相互にあってのことと思う。肩書きなど関係ない。ただ、ARGの読者であり、当日、秋葉原まで行ってみようという気持ちを持っており、また、話しをしてみようという意志のある人……この一種の信頼感のようなものが、ARGカフェを成功させた最大の要因であろう。

懇親会でもいろいろと話しをした。学術的に専門性が高くなると、その分野の専門家は、リアルの世界で、既知のあいだがらである。すでに、学会や研究会で知っており、論文や本も読んでいる。それにささえられているからこそ、ネットでの発言(かなり専門的な)も、許容される。簡単に言えば、このようなことを理解できる人間は、この分野ではこれぐらいの人たち、という現実での評価のようなものがある。だからこそ、ある程度、研究のコアにふれるような話題でも語れる。(すくなくとも、私は、そう思っている。)

デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)といった場合、これからは、研究者個人での、相互の、コミュニケーションが重要な役割ははたす。ブログであり、メールマガジンであり、メーリングリスト、である。

オープンな、専門家同士の、双方向コミュニケーション、とでもいえばいいであろうか。いいかえれば、その専門家外の、第三者が、見ようと思えば見られる、である。

このようなリアルでの信頼感と、ネットでのコミュニティの形成、この両者を総合しないと、デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)の未来を、語ることはできないであろう……と、思いをあらたにした次第である。

岡本さん、どうもありがとうございました。今後ともよろしくおねがいします。

當山日出夫(とうやまひでお)