100分de名著「林芙美子“放浪記” (1)「悪」の魅力」2023-07-06

2023年7月6日 當山日出夫

100分de名著 林芙美子“放浪記” (1)「悪」の魅力

『放浪記』は、若い時から折に触れて読み返してきた作品である。最初に『放浪記』に接したのは、学校の教科書でだったと思う。その冒頭の部分、筑豊で行商をしていた子供時代のことを綴ったあたりが、出ていたと記憶する。

『放浪記』の魅力は、私にとっては、底辺で生きることになる女性のたくましさ、それから、全編にただよう詩情である。

これを現代の観点から、特にフェミニズムの視点から読み解くことは可能であろう。

番組を見て思ったことの一つは、『放浪記』の初版を出さないだろうか、ということである。今、普通に読むのは、新潮文庫版であろうと思うのだが、これは、かなり後年になってからの手が加わっているようだ。ここは、是非、初版、初出のものを読んでみたい気がする。

それから、番組の朗読を聞いていてちょっと気になったところ。「待合」ということばが出てきていたが、これは、ちょっと説明してくれた方がいいのではないだろうか。今と昔で、風俗的な違いがある。この意味で、「待合」というのは、今では分かりにくくなってしまったものの一つである。(あるいは、この番組を見る程の人なら、このことばの意味ぐらい知っていて当然ということなのかもしれないが。)

2023年7月4日記

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