「バングラデシュ“世界の縫製工場”は変わったか」2024-11-09

2024年11月9日 當山日出夫

Asia Insight バングラデシュ“世界の縫製工場”は変わったか

いわゆるグローバルサウスという国における現状、ということになるのかなとは思う。安価な労働力で、単純な工場労働で、仕事を請け負う。バングラデシュの場合は、縫製工場ということになる。

たぶん、バングラデシュの工場に仕事を発注している日本の企業やブランドもあるにちがいないが、だからといって、日本で販売する価格を上げて、それを現地の工場労働者の待遇改善に……ということにはならない。国際的な熾烈な価格競争のなかで消費と仕事がまわっている。

日本にいてできることとしては、たとえば「フェアトレード」の製品を買う、ということぐらいだろうかなと、思うことになる。

ちょっと気になって見てみたのだが、BRICSにはバングラデシュは入っていないし、協力関係のある国のなかにも名前はない。BRICSなどに名をつらねることのできる国は、すでにそれだけの豊かさを実現している、資源と工業力を持った国という理解でいいのかなと思う。さらにそこからこぼれ落ちる国があり、そこで働く人びとがいることを、忘れてはならない。

強いて希望を感じるところは、グリーンファクトリーの認証制度。これが広く世界的に認識されるようになって、少々高くても、このような工場で作った製品を選べるようになるかもしれない。(だがそうすると、より安価な製品を求めて、より劣悪な労働環境のところに仕事が流れるということもあるだろうが。)

バングラデシュでメーデーで更新する人びとの映像が映っていた。日本で、メーデーというと、ほとんど形骸化してしまっているが、この国では、切実に労働者の問題である。イスラムの国でメーデーが行われているということは、はっきり言ってすこし意外な気もしたのではあるけれど。

2024年11月7日記

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