BSスペシャル「デジタル・アイ 暗黒船を追え」2025-04-15

2025年4月15日 當山日出夫

BSスペシャル デジタル・アイ 暗黒船を追え

録画しておいたのをようやく見た。

「デジタル・アイ」のシリーズということで作ってはあるのだが、実際の内容としては、中国の漁業分野における、乱獲、密売、ということの実態である。さらには、漁船での労働が人権侵害であることも。これは、中国漁船とマグロということにしぼって、NHKスペシャルの枠で作った方がよかったかもしれない。

世界中の船、そのなかでも漁船の航跡が、リアルタイムで把握できるようになっている。こういう時代になっても、なお、違法な操業で魚をとって稼ごうとしているのが、中国という国、そう思ってもいいだろう。

世界の漁場の、資源保護を無視した乱獲の実態ということがある。

なかでも、闇マグロが日本にも輸入され、それが流通している。おそらく、これは、関係者にとっては、公然の秘密といってもいいことなのかもしれない。正規のルールを守って漁をしている漁船が、魚の安値でもうからなくなっている。この責任の一端は、消費者がより安いものを求めているというところにもある。安心して、いいものを食べようと思うならば、それなりにお金がかかる、これは当たり前のことかもしれない。(だが、昨今の、インバウンド向けの、あまりに高価な価格設定のニュースなど見ると、どうかなと思うところもあるけれど。)

世界の漁場で、資源保護をまもりながら、適切にルールを守って、どれぐらいの魚がとれて、それが、どう流通することが妥当なのか、改めて考えなおす必要があることになる。

昔は、秋刀魚はもっとも大衆的な魚だったが、これも、今では高級品になってしまった。これが、中国漁船による日本近海での乱獲によるものである、たぶん、そういうことなのだろうと思うけれども、なんともいえない気持ちになる。

中国の漁船で、インドネシアの人びとが、奴隷状態で働かされているということは、あきらかな人権問題である。魚についても、フェアトレード、があっていいし、その表示があれば、それを買う消費者もいるはずである。

食糧自給率のことが、なにかあるたびに話題になるのが日本である。この一因は、アメリカの政策によるところもあるが、それだけではない。さらに総合的な視点から考えるべきだろう。

2025年4月13日記

アナザーストーリーズ「セウォル号沈没事故 〜生死を分けた101分〜」2025-04-15

2025年4月15日 當山日出夫

アナザーストーリーズ 「セウォル号沈没事故 〜生死を分けた101分〜」

再放送である。最初の放送は、2021年3月17日。

この事件のことは記憶しているが、当時の韓国の朴槿恵大統領にかかわる問題の一つということを、憶えている。この事件についての対応をめぐって、批判が集中した。(別の角度から見れば、事件が政争の具になった、ということもあるかとも思えるが。)

事件そのものについては、いろいろと検証の仕事があるだろう。見て思ったことを書いてみる。

もし、日本で同じような事故が起こったとき、どう対応するべきなのか、日本ではどう考えられているのだろうか。まずは、海上保安庁であり、各地の警察、それから、場合によっては、海上自衛隊もかかわることになるかもしれない。

現在では、スマホで、その位置情報(GPS情報)を伝達することは、簡単にできるだろう。(ただし、私自身は、スマホを持たない生活をしているので、なんともいえないところではあるが。)とにかく海上での事故の場合、事故の情報とともに、正確な位置情報が得られないと、何にもできないはずである。こういうことは、どの程度、周知されていることなのだろうか。

沈没しつつある船のまわりに、多くの船が集まっていたようなのだが、いったい何をしていたのだろうか。近づきすぎると、沈んでいく船に巻きこまれる危険はあるかもしれないのだが、映像では救命用のボートが出されていたとは見えなかった。これは、はたしてどういう状況だったのだろうか。

それから、この事件をきっかけにして、日本で運航されているフェリーとかでの事故対応マニュアルは、変わったところがあるのだろうか、それとも、ないのだろうか。

事故が起こって、30度ほど傾いた状態で、乗客にその場で待機するようにアナウンスがあったとということだが、おそらく、こうなってしまえば、船内を安全に移動することも困難であったと予想される。事故後、すみやかに全員の避難の措置がとれなかったということが、最大の問題点の一つだろう。さらには、そもそも、事故を起こすような積み荷とか、船の構造にも、問題はありそうだが。

韓国での事故ではあるのだが、これから、日本の関係者がどのような教訓を得ることになっているのか、このあたりが最も知りたいところである。

2025年4月11日記

BS世界のドキュメンタリー「中米パナマの憂うつ “船と不法移民の交差点”で何が」2025-04-15

2025年4月15日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー「中米パナマの憂うつ “船と不法移民の交差点”で何が」

二〇二四年、フランスの制作。

パナマ運河をめぐっては、アメリカと中国の対立が報道され、また、アメリカにやってくる不法移民についても、かなり報道されている。しかし、そのパナマ運河の今の様子とか、アメリカをめざす移民がどのようにしてやってきているのか、ということについては、あまり日本では報道されないと見ている。

パナマ運河が、閘門によって水位を調節して、船の運航を可能しているということは知っていたが、そのために、膨大な量の水を必要とし、そのために湖の水が使われているということまでは、はっきりとは知らなかった。たしかに、閘門の水位の調整のための水がどこから来て、どこに流れていくのか、ということは、重要なことである。

近年の異常気象により、水不足になって、かつてのように多くの船を通過させることができなくなっているという。通過できなくて待たなくてはならないので、遠く南アメリカの南を回って航海する船もある。また、コンテナの一部、あるいは、全部を、陸上の鉄道輸送で代替することも行われている。

このような、パナマ運河の運用にかんするいろんな仕事は、どこの管理ということになるのだろうか。無論、パナマ政府はかかわっているはずだが、実際の運営においては、中国、あるいは、アメリカの企業が、仕事をしている……ということなのだろうか。だからといって、中国政府やアメリカ政府が、パナマ運河の通行を維持するため、湖の水量を確保するために、何かしているという話しは聞かない。

アメリカを目指す移民の人たちは、かなり過酷な状況におかれていることはたしかである。とにかくジャングルの中を、山道を、川沿いを、歩いて行くしかないということは、非常にきびしい。だが、それほどまでに、母国には住み続けたくないという事情があるのだろう。(これはこれとして、実際にどんな生活の状況なのかということは、知りたいと思う。)アメリカまで徒歩で旅をするにも、現地のマフィアの手をかりなければ、無事に通り抜けることができない。政府の管轄のおよばない無法地帯で、マフィアが実験を握っている。地獄の沙汰も金次第とは言うけれども、まさに、アメリカまで歩いていくにも、マフィアにお金を払わないと、行くことができない。衣食住、すべて、お金をはらわないとならないシステムになっている。(まあ、見方によっては、マフィアが、現地の治安を維持して、人びとの無事な通過を守っているとも、とれなくはないが。)

もし、かりにマフィアがいなくなって関係国の政府の管理下におかれたとしても、それならそれで、こんどは、それらの政府の役人が賄賂を要求するようになるか、そうでなければ、やっかいな移民は、さっさとアメリカ国境まで行ってもらうようにするか、ということだろうと思うが、どうだろうか。現にパナマ政府は、移民をバスに乗せて移動させている。

そして、今では、アメリカとの国境までたどり着けたとしても、無事に入国できる保証はない。また、もし、入国できたとしても、仕事が保証されているわけではないだろう。

パナマ運河のこれから、それから、移民の人びとのこれからは、いったいどうなるだろうか。

2025年4月11日記

ワールド・トラックロード 〜俺の助手席に乗らないか〜「アジア編」2025-04-15

2025年4月15日 當山日出夫

ワールド・トラックロード 〜俺の助手席に乗らないか〜 アジア編

再放送である。最初は、2023年7月7日。

タイから、セメントをミャンマーまで運び、それから、ラオスの家族に会いに行って、それから、タイで褐炭を鉱山から輸送する。たしかに、東南アジアのこの地域であれば、トラック輸送というのが、物流の重要な位置をしめるのだろうから、こういう仕事があることは理解できる。

見ていていろいろと思うことはある。

大きなトラック、というより、トレーラーといった方がいいだろう、である。これが走れる道が、タイ国内に整備されていて、ミャンマーにまで通じているということでいいだろう。映っていた範囲で見ると、どの道もきれいに舗装されていて、走りやすそうである。それにしては、走っている自動車が少ない。トラックとか乗用車とか、走っていたりするが、そんなに交通渋滞があるということではない。これは、都市部を走っていないということなのかとも思うが。

まず、気がつくことは、タイでは、自動車は左側を走る。日本とかイギリスとかの方式である。自動車が、左を走るか、右を走るか、決まった要因はいろいろとあるのだろうが、タイがイギリスの殖民地であったということではないはずなのに、どうして左側なのだろうか。ミャンマーに入ると、右側通行になっていた。しかし、ミャンマーは、かつてイギリスの殖民地であったはずである。

片側三車線の道路がほぼまっすぐに伸びているという風景が多かった。これを見ると、タイ国内の道路の整備は、かなり進んでいるということのようであるが、さて、(番組に映っていなかった)その他の地方では、どうなのだろうか。

ところどころ、日本でいう登坂車線というべきものがあったと思うのだが、それほどの急勾配でもないように見えた。

走っていた道路は、どういう種類の道路なのだろうか。日本でいう国道ぐらいの位置づけか、それとも、高速道路、自動車専用道路、ということなのだろうか。バイクは走っているのだが、歩行者の姿は見なかったようである。

野生の象が、道に出てくるというのは、タイならではのことである。日本だと、シカとかタヌキが普通である。

ラオスに奥さんと子どもがいるのだが、その結婚のなれそめも出てきていたけれど、そもそも、これは、一般にいう国際結婚ということなのだろうか。タイとラオスで国が違うから、そうなのだろうと思う。この夫婦や家族で話していることばが、何語か分からなかったのだが、この家族は、民族的、言語的、宗教的には、どういう状態なのだろうか。無論、法律的にどうなのかということも気になる。

画面に映っていた奥さんは、とても美人で、おめかしをしていた。家事をする主婦の姿とは思えないという印象ではあるのだが、これは、久しぶりに夫と会うということもあるのか、さらには、テレビのカメラの前ということもあるのか。持っていたバッグは、シャネルのマークがついていたが、本物なのだろうか。別に、疑っているわけではないのだが。それだけ、夫のトラックドライバーの稼ぎがいいということなのかもしれない。

ラオスでの移動に出てきた、トラックというべきだろうか、荷台に座席をつけたものは、バスのようなものなのだろうか、タクシーのようなものなのだろうか。

タイでは、ご飯を食べるとき、フォークとスプーンで食べる。これが、ラオスに行くと、お箸をつかい、ご飯は手で食べる。朝ご飯はスプーンだった。食事のときに、どういうふうに食べるのか、スプーンを使うのか、お箸を使うのか、手で食べるのか、おそらく民族学では研究されていることだろうとは思うが、テレビのこういう映像で見ると、東南アジアで隣接する国であっても、生活のスタイルの違いがあることに気づく。

大きな物流会社なのだろう。自前のガソリンスタンドがあって、そこで給油する。入れていたのは、レギュラーガソリンであったようだ。満タンにしたのを確認するために、ピンポン球をうかべて写真に撮って送信する、というのは、面白い。

他にどんな場所で給油するのかということは映っていなかったが、どうなのだろうか。

子どもへのお土産に笛を買っていた。ラオスの家では、テレビは室内にあったように見えたが、子どもがテレビゲームで遊んでいるようではなかった。ラオスの子どもは、いったいどんな遊びをしているのだろうか。

道ばたに風車を売っているお店がたくさんある、というのは面白い。

それにしても、東南アジアの諸国の物流、道路整備、鉄道網、ということは、どういう状況にあるのだろうか。かなり中国の影響がおよんでいるであろうことは推測できるのだが、その実態と人びとの生活は、どうなのだろうかと思うことになる。メコン川が映っていたが、メコン川は水運としては、どう利用されているのだろうか、ということも気になる。

2025年4月12日記