「ロフティング“ドリトル先生航海記” (4)小さな鞄ひとつで軽やかに生きる」 ― 2024-11-02
2024年11月2日 當山日出夫
100分de名著 ロフティング“ドリトル先生航海記” (4)小さな鞄ひとつで軽やかに生きる
見ながら思ったことを思いつくままに書いておく。
結局、この物語は大英帝国の時代の話しだなあ、と感じるところがある。これは別にドリトル先生が植民地主義に対して、どういう態度であるかどうかということではなく、海のむこうの見知らぬ島に出かけて行って冒険があって帰ってくる、という大きな枠組みから、なんとなくそういうことを感じる。
生物について、利己的/利他的、このような概念を軸に論じることは、最近の傾向かなと思うところがある。もっとも典型的には『利己的な遺伝子』(ドーキンス)のことを思い浮かべる。この本は読んではいるが、そのような生命観、生物観というのがあるのか、というのが思ったことである。遺伝子レベルで考えるならば、自己の複製をどのように残すか、ということからすべての地球上の生物の歴史を語ることができる、ざっくりいえばこういうことになるかと理解している。一方、生物の行動や生態からは、利他的とも理解できる現象がある。これをどう理解するか。そして、このことが、現代の人間社会における人間の生き方や社会のあり方に、どうかかわるのか、このような問題意識とつながることになる。まあ、考え方にもよるとは思うが、人間の生き方の価値観を、自然界の生物のあり方に、無意識のうちに投影して考えることになっているのかという気もする。さて、このことは、どう考えるべきことなのだろうか。
センス・オブ・ワンダー、自然の素晴らしさに対する感性、とでも言っていいかもしれないが、このことは重要だと、共感できるところである。自然や宇宙についての、科学的な啓蒙といってもいいだろうが、このごろではあまり接する機会が少なくなってきているように感じる。私の子どものころは、学研の「科学」を買うのが楽しみであった世代である。漫画もSF漫画が多くあった。今でも、NHKは、自然にかかわる番組を多く作って放送しているが、他の局ではほとんどなくなったといってもいいだろうか。
『ドリトル先生航海記』は、これからも読まれていく本だと思う。
2024年10月29日記
100分de名著 ロフティング“ドリトル先生航海記” (4)小さな鞄ひとつで軽やかに生きる
見ながら思ったことを思いつくままに書いておく。
結局、この物語は大英帝国の時代の話しだなあ、と感じるところがある。これは別にドリトル先生が植民地主義に対して、どういう態度であるかどうかということではなく、海のむこうの見知らぬ島に出かけて行って冒険があって帰ってくる、という大きな枠組みから、なんとなくそういうことを感じる。
生物について、利己的/利他的、このような概念を軸に論じることは、最近の傾向かなと思うところがある。もっとも典型的には『利己的な遺伝子』(ドーキンス)のことを思い浮かべる。この本は読んではいるが、そのような生命観、生物観というのがあるのか、というのが思ったことである。遺伝子レベルで考えるならば、自己の複製をどのように残すか、ということからすべての地球上の生物の歴史を語ることができる、ざっくりいえばこういうことになるかと理解している。一方、生物の行動や生態からは、利他的とも理解できる現象がある。これをどう理解するか。そして、このことが、現代の人間社会における人間の生き方や社会のあり方に、どうかかわるのか、このような問題意識とつながることになる。まあ、考え方にもよるとは思うが、人間の生き方の価値観を、自然界の生物のあり方に、無意識のうちに投影して考えることになっているのかという気もする。さて、このことは、どう考えるべきことなのだろうか。
センス・オブ・ワンダー、自然の素晴らしさに対する感性、とでも言っていいかもしれないが、このことは重要だと、共感できるところである。自然や宇宙についての、科学的な啓蒙といってもいいだろうが、このごろではあまり接する機会が少なくなってきているように感じる。私の子どものころは、学研の「科学」を買うのが楽しみであった世代である。漫画もSF漫画が多くあった。今でも、NHKは、自然にかかわる番組を多く作って放送しているが、他の局ではほとんどなくなったといってもいいだろうか。
『ドリトル先生航海記』は、これからも読まれていく本だと思う。
2024年10月29日記
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