『麒麟がくる』あれこれ「帰蝶の願い」2020-03-03

2020-03-03 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第七回「帰蝶の願い」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/7.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年2月25日
『麒麟がくる』あれこれ「三好長慶襲撃計画」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/02/25/9217532

海から登場してきた信長が新鮮であった。

この週の見どころは、次の二点かと思う。

第一に、帰蝶のこと。

尾張の織田が、美濃の斎藤との和議を申し込んでくる。その条件として、帰蝶を欲しいという。だが、帰蝶はこれにあまり乗り気ではないようだ。

これまで、戦国時代ドラマとしては、幾たびも描かれてきた、帰蝶(濃姫)である。この『麒麟がくる』では、どのような人物として描かれることになるのか、興味深い。そういえば、以前の大河ドラマでは、『国盗り物語』では、松坂慶子が演じていたのを、私は憶えている。

第二に、海のこと。

道三は言っていた。美濃には海がない。海は、冨をもたらす。このような海――というよりも、海上交易――のことに直接言及したのは、大河ドラマの、それも戦国時代を描いたものとしては、珍しいかもしれない。

海上交易――言い換えるならば、非農業民による冨である。この海という視点を持ち込んできたことが、これからのこのドラマの展開に、どのような影響があるのだろうか。

以上の二点が、今回を見て思ったことなどである。

さらに書くならば、やはり謎なのが菊丸である。いとも簡単に信長のことを知っていた。ただの農民ではないようだ。これから、この菊丸が、ドラマの展開において、重要な意味を持ってくるのかもしれない。

また、以前にも書いたことだが、このドラマの演出では、女性が床に座るとき、立て膝で座るようにしている。時代考証としては、これであっていると思う。

次回、美濃と尾張の関係はどうなっていくのだろうか。結果としては、帰蝶は織田にとつぐことになるはずだが、そのプロセスをどのように描くことになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2020年3月2日記

追記 2020-03-10
この続きは、
やまもも書斎記 2020年3月10日
『麒麟がくる』あれこれ「同盟のゆくえ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/03/10/9222597