雑談「昭和」への道「第七回 技術崇拝社会を曲げたもの」 ― 2023-10-12
2023年10月12日 當山日出夫
司馬遼太郎 雑談「昭和」への道 第七回 技術崇拝社会を曲げたもの
三八式歩兵銃で戦争しようとしたことが無謀であった、ということになる。
私の年代(一九五五年生)だと、テレビドラマの『戦友』を見て憶えている。中国戦線で戦った日本軍の物語である。そこで兵士たちが使っていたのが、三八式歩兵銃であったことになる。これは、一発撃つごとに槓桿を引いて弾丸を排出し次の弾丸を入れないといけない。同時に、同じくテレビドラマで『コンバット』も見ている。ヨーロッパで戦ったアメリカ軍の物語である。出てくるアメリカ軍の使っていた小銃は、連発である。さらには、サンダース軍曹(なつかしい名前であるが)は、軽機関銃を持っていた。子供心にも、これでは、アメリカ軍と戦って勝てるわけはないと思ったのを、なんとなく記憶している。
三八式歩兵銃は、明治村で展示されていたのを見た記憶がある。
といって、銃が旧式であるというだけで悪いということはないのかもしれない。問題はその性能である。カラシニコフは、いったい何十年使われつづけてきているだろうか。
兵器のことで言うならば、確かにゼロ戦は優秀であったかもしれないが、それを太平洋戦争の末期には、特攻用に使用せざるをえなかっというのは、悲劇的である。戦艦大和も、艦隊決戦の出番のないままに沖縄に向かい、沈んだ。
これに対して、日露戦争のときまでの日本軍、あるいは、指導者たちは、軍備についてのリアルな感覚があった。司馬遼太郎の語ることは、こういうことになるだろうか。
番組のタイトルである技術崇拝ということばはあまり適切ではないかと思う。より正確には、技術についてのリアルな感覚ということになるだろう。このあたりのことは、ノモンハンにおいて日本軍とソ連軍の戦車の違いを見れば歴然としている、ということになる。この回のなかでは、戦車のことは出てこなかったが。これまでの回で触れていたように憶えている。
それから、縦深陣地ということば出てきたのには、ちょっと驚いた。今でこそ、軍事的な一般書で、戦略縦深という用語が出てくる。一九八六年のときに、司馬遼太郎は、この概念をもちいていたことになる。
2023年10月7日記
司馬遼太郎 雑談「昭和」への道 第七回 技術崇拝社会を曲げたもの
三八式歩兵銃で戦争しようとしたことが無謀であった、ということになる。
私の年代(一九五五年生)だと、テレビドラマの『戦友』を見て憶えている。中国戦線で戦った日本軍の物語である。そこで兵士たちが使っていたのが、三八式歩兵銃であったことになる。これは、一発撃つごとに槓桿を引いて弾丸を排出し次の弾丸を入れないといけない。同時に、同じくテレビドラマで『コンバット』も見ている。ヨーロッパで戦ったアメリカ軍の物語である。出てくるアメリカ軍の使っていた小銃は、連発である。さらには、サンダース軍曹(なつかしい名前であるが)は、軽機関銃を持っていた。子供心にも、これでは、アメリカ軍と戦って勝てるわけはないと思ったのを、なんとなく記憶している。
三八式歩兵銃は、明治村で展示されていたのを見た記憶がある。
といって、銃が旧式であるというだけで悪いということはないのかもしれない。問題はその性能である。カラシニコフは、いったい何十年使われつづけてきているだろうか。
兵器のことで言うならば、確かにゼロ戦は優秀であったかもしれないが、それを太平洋戦争の末期には、特攻用に使用せざるをえなかっというのは、悲劇的である。戦艦大和も、艦隊決戦の出番のないままに沖縄に向かい、沈んだ。
これに対して、日露戦争のときまでの日本軍、あるいは、指導者たちは、軍備についてのリアルな感覚があった。司馬遼太郎の語ることは、こういうことになるだろうか。
番組のタイトルである技術崇拝ということばはあまり適切ではないかと思う。より正確には、技術についてのリアルな感覚ということになるだろう。このあたりのことは、ノモンハンにおいて日本軍とソ連軍の戦車の違いを見れば歴然としている、ということになる。この回のなかでは、戦車のことは出てこなかったが。これまでの回で触れていたように憶えている。
それから、縦深陣地ということば出てきたのには、ちょっと驚いた。今でこそ、軍事的な一般書で、戦略縦深という用語が出てくる。一九八六年のときに、司馬遼太郎は、この概念をもちいていたことになる。
2023年10月7日記
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2023/10/12/9624838/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。