ステータス「(2)ストラディバリウス」2024-11-15

2024年11月15日 當山日出夫

ステータス (2)ストラディバリウス

放送したとき録画してあったはずなのだが、見ずにすごしていて、たまたまテレビを付けたら再放送をしていたので、そのまま見た。(録画したあるはずのは、後で消しておこう。)

ストラディバリウスについては、いろんな視点から語ることができるだろう。まず、なぜそれほどまでにいい音を出すのか、その理由が気になる(おそらくは、職人の腕だけではなく、その時代と地域の気候条件による素材となった木材が大きく影響していいるのだろうと思うが)。また、それにとりつかれた音楽家、バイオリニストの生き方。さらには、その資産価値をめぐるさまざまな思惑、などなど、いろいろとあるにちがいない。

この番組の場合は、芸術という視点をふくんで作ってあったと感じる。純然たる音楽番組、芸術番組などをのぞいて、テレビ番組で芸術を語ることはあまりないかと思う。だが、見ていると、芸術としての音楽、それに魅了された人びと、そして、「本物」が持つオーラ……このようなことを、強く意識させるところがあった。

番組の作り方として、いくぶんバラエティ番組風に構成しているところはあったのだが、作り手の意識のなかに、芸術の魅力(あるいは魔力とでもいった方がいいかもしれない)とはどういうものなのかということを感じさせるところがあった。

中で言っていたことだが、芸術家にはパトロンが必要である。これは、今の日本でほとんど失われてしまったことかとも思う。その例外として、前澤友作が出ていた。しばらく前まで、企業メセナということがさかんにいわれたこともあったが、このごろではとんと目にしなくなったように思う。昔の日本なら、大金持ちの篤志家というような人がいたことは確かだろうが、これも忘れ去られてしまっているようである。

2024年11月5日記

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