「スタジアムに暴力はいらない〜インドネシア〜」2024-11-18

2024年11月18日 當山日出夫

Asia Insight スタジアムに暴力はいらない〜インドネシア〜

再放送である。

インドネシアでのサッカーの試合後の事件のことは、ニュースで見た記憶があるという程度である。

インドネシアという国で、サッカーが国民の熱狂するスポーツである、ということはこの番組を見て知った。それぞれの国で、どのようなスポーツが愛好されているかは、いろんな歴史的事情があってのことだろう。(日本の近代におけるスポーツの歴史は、これはこれで考えるべきことではある。)

熱狂的なサポーターなのだろう。観戦しながら客席で炎があがっているのが見えるのだが、巨大な松明のようなものなのだろうか。それにしても、すさまじい応援である。

事件の真相は分からないままであり、裁判の結果に抗議する市民の姿もある。番組としては、これをメインに作ってある。

だが、私が興味深く思って見たのは、犠牲者の遺族の姿。遺品、遺影と一緒にマリア像がおいてあって、お墓には十字架が立ててあった。おそらくは、カトリックの信者ということなのだろう。インドネシアというと、世界で最大規模の人口のイスラムの国というイメージで見ていたのだが、実際にこの国で暮らす人たちの信仰は、どのようなものなのだろうか。

宗教の違いが、事件があったあった後の追悼や慰霊に、どうかかわることになるのか。イスラムには、それなりのものの考え方があるのだろうと思うが、このあたりは、日本から見ると、どうも分かりにくいところの一つである。

それにしても、その事件のあったとき、警察だけではなく軍も出動していたということは、事前になんらかの準備態勢があってのことだったのだろうか。軍というものは、(国境警備などをのぞけば)そう簡単に出動できるものとは思えないのだが。

国民の信頼を裏切った警察ということで、道路にある交番(といっていいのだろうか)が、使えなくなっている。このような事態は、日本ではちょっと考えにくい。警察や軍に対する信頼感というのは、社会の秩序のために最も重要なものの一つであると思うが、はたしてインドネシアは、どのようになっていくのだろうか。

2024年11月14日記

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