BS世界のドキュメンタリー「SNSが作った“世論”#ジョニー・デップ裁判」2024-01-15

2024年1月15日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー SNSが作った“世論”#ジョニー・デップ裁判

フェミニズムも、あるいは、それへの反動としてのマスキュリニストも、ある意味では、男性、女性ということについて、あるステレオタイプを形づくって押しつけてくるということにおいては、同じように思える。といって、フェミニズムを否定するつもりはない。人間の歴史のなかで生まれた新たなものの考え方、価値観として尊重されねばならない。だが、ある種の女性のあり方、男性のあり方のイメージを形成することになっていることは確かなことだろうと思う。だからこそ、それの裏返しの反動も生まれる。

この番組の意図としては、今日のSNSのあり方と人びとの考え方である。Twitter(X)、YouTube、TikTok、といったSNSが世論を形成する大きな要因になっているということが重要である。

私は、Twitterは、二〇〇九年から使っているが、昔はのどかなものであった。二〇一一年の地震、津波の被害の時は、まだそれほど普及していなかったのだが、多くの情報があふれていた。それは、すこしでも情報を得たい、届けたいという、いわば人間の善意であった。しかし、二〇二四年の能登半島の地震の時、善意によるメッセージもある一方で、これを機会に政治的主張の場となり、また偽情報も氾濫している。かつてのような、居心地のいいネット空間のかけらも見られない。

新聞、テレビではなく、SNSが人びとの主な情報源となる時代を迎えて、あまりにも無防備すぎるという気がしてならない。だからといって、そこに公的な規制が介入すればよいというものでもない。第三者的な監視のシステムと注意喚起ぐらいしかできることはないかもしれない。

地道な努力しかないのかとも思う。自分とは異なる価値観の人にたいしての寛容さということである。ただ、この点については、右翼的な考えであるにせよ、左翼的な考えであるにせよ、両方に求められることであると私は思っている。

どのような立場にたつにせよ、正しさをふりかざして、意見のことなる相手に攻撃的になることは、私の好むところではない。

2024年1月10日記

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