忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段(後編)2021-12-13

2021-12-13 當山日出夫(とうやまひでお)

忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段
https://www.nhk.jp/p/ts/282VPZ4VY6/?cid=jp-timetable-modal-programofficial

前編は、
やまもも書斎記 2021年12月9日
忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段(前編)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/12/09/9446572

土曜日の放送。録画しておいて、日曜日の朝にゆっくりと見た。

見事であるといってよいだろう。斧定九郎を映像化して見せるならば、かくもありなんという作品になっていた。

このドラマの映像として良さは、一つには、江戸時代の歌舞伎の舞台に設定してあることだろうと思う。その舞台をドラマのなかで、どのように映像化して見せるか、ここに監督の腕の見せどころがある。舞台の映像化ということは、ある意味で制約にもなるだろうが、ここはそこを巧く生かしていた。芝居の舞台を、芝居小屋ごと映像化してどうみせるかである。

このドラマ、当然ながら、落語を踏まえてつくってある。それを、生かす脚本になっていた。前編で、川に身投げしたところで登場した武士が、うまい伏線になっている。

それから、上白石萌音がいい。ちょうど、朝ドラで『カムカムエヴリバディ』を放送である。朝ドラの役とはまたちがった良さがでている。また、唄と三味線がよかった。

江戸時代の歌舞伎の世界、忠臣蔵という設定、また、その当時の劇場……これらは、ドラマをつくるうえでは、場合によっては、ある種の制約になりかねないところであるが、そこを、考証を緻密にすることで、逆に設定としてたくみに使ってあると感じる。(まあ、近世芸能史を専門にしている人の目から見れば、いろいろと言いたいことはあるにちがいないとは思うが。)

ともあれ、久々に良質のテレビドラマを見たという印象が残る作品であった。

2021年12月12日記

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