やまもも書斎記

2023年11月28日　當山日出夫

ザ・ベストテレビ2023　性別は誰が決めるか

たまたまテレビの番組表を見ていたら見つけたので録画しておいて見た。北海道放送の制作の番組である。

そのように生きたい人がいるのならば、その生き方が尊重されるべき……一般論として感想を書けばこんなふうになる。だが、その前には、社会の理解が必要になる。

ここで問題になることは、性的少数者である人びとに対して嫌悪感を持つ自由はあるのか、という問いかけになるのかと思う。どう思おうとそれは個人の自由の問題であるとなると、難しい。そのように思うのは間違っていると批判することは簡単だが、それでそのような人びとがいなくなるわけではないだろう。さらに、それを表明していいかどうか。といってヘイトスピーチを許容するということにはならない。これは、社会全体の理解、意識の変化、時代とともに変わっていくことだと思う。

議論はあっていいと思うが、まずは世の中にどんな人が、どんなふうに生活しているのか、それを知っておくことが重要になる。

ただ、このような番組を見て思うことは、かなり天邪鬼な感想になるかと思うが、「自分らしくある」ことを、今の社会はかなり強く言いすぎるようにも感じる。そこに多様性の尊重の観点は必要ではあるが、「自分らしくある」ことが至高の価値かというと、そこにはいくばくの疑問を感じる。「自分らしくある」ことは重要ではあるのだが、すべての人にそうあらねばならないと強制的に迫る、これはかえって生きづらさを感じる人にはつらいことなのかとも思う。

自分のことだから自分で決めなければならない、というのも場合によってはつらい場合がある。

番組の中で出てきた、生まれた赤ちゃんが大きくなるころには、日本の社会はどうなっているだろうか。少しでもいい方向に変わっていればと思う。

2023年11月24日記