「有吉佐和子スペシャル (4)人生の皮肉を斜めから見つめる」2024-12-25

2024年12月25日 當山日出夫

100分de名著 有吉佐和子スペシャル (4)人生の皮肉を斜めから見つめる

100分de名著でとりあげた作品や作家について、読むものもあるし、読まないで済ませてしまうものもあるのだが、『青い壺』は新しく買って読んだ。文春文庫版を買ったが、今の私には、この文庫本の文字の大きさ(小ささ)がかなりつらい。まったく読めないというわけではないのだが、ここは割りきって、Kindle版を追加で買って、Kindleで読んだ。一番新しい機種である。私としては、三台目のKindleにになるが、以前のもの比べて格段に読みやすい。

青い壺をめぐる連作短篇集、ということになるのだが、読んでいくと、この話しのなかでどこで青い壺が登場するのか、ということが気になってしょうがない。そして、その青い壺の登場のさせ方がまた上手であり、また、話しがすすむにつれて、その青い壺の素性や価値についての変化がある。これも、またうまいところである。

この作品が書かれたころは、ちょうど私が大学生で東京に住んでいた時代になる。まさに、昭和の戦前に生まれた人たちが身の周りに普通にいた時代である。無論、私の両親は昭和の生まれである。東京で下宿した家の、ご主人(開業医だった)は、海軍の軍医をしていたと言っていたし、その奥さんは、大連の女学校を出たと言っていた。まさにこの時代の、市井の普通の人びとの生活感覚がどんなふうであったのか、とても生き生きと描かれていて、それを素直に、こういう時代があったんだなあと、感じとる(思い出す)ことができる。

人間が幸福に生きていくこと……番組のなかでは、ウェルビーイングと言っていたが、QOLと言ってもいいかもしれない……このことについて、どの作品を読んでも感じるところがある。

ところで、この有吉佐和子の「100分de名著」であるが、『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『青い壺』だった。『恍惚の人』は二回に分けての放送だった。普通に考えると、『非色』が登場してもいいかもしれない。あるいは、『紀ノ川』や『悪女について』であったもいいかと思う。(私は、『悪女について』は計量文体学の研究として面白い作品だと思って、その専門の人にすすめてみたことがあるのだが。)こういう構成になったのは、番組制作者のそれなりの考えがあってのことなのだろう。

2024年12月24日記

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