「テレサ・テン生誕70年ベスト アジアの歌姫は何を歌ったのか」 ― 2024-12-24
2024年12月24日 當山日出夫
名盤ドキュメント テレサ・テン生誕70年ベスト アジアの歌姫は何を歌ったのか
テレサ・テンのCDは、いくつか持っていて、WalkmanにFLACでコピーしていれてある。
好きか、嫌いかというと、好きな歌手なのだが、その歌を聴くことを好むかどうかといわれると、ちょっと微妙なところがある。番組のなかで、有田芳生が言っていたことだが、テレサ・テンが日本で歌手活動をはじめたころ、一九七〇年代になるが、このころの日本では、アジア人女性に対する蔑視があった。(番組のなかでは、言っていなかったが、そのころ、日本から韓国や台湾に女性をもとめての旅行が公然と行われていた時代でもある。)
テレサ・テンの歌う歌に共感するところは確かにあるのだが、そこに共感する自分自身のうちのなにかに対して、どこかしら違和感を感じるという感覚がある。これは、決して、理想主義的なフェミニズムからではない。フェミニズム的価値観からすると、テレサ・テンが日本で歌った曲はほとんど許しがたいものだろう。そこに描かれた女性像は、かなり旧弊な部分をひきずっている。私は、フェミニズムの価値は認めつつも、同時に、それだけでは人間というものが分からないだろうという気もしている。
テレサ・テンの歌った女性のイメージは、それまでの旧来の演歌などに歌われた女性とは、どこか違っている。それがどのようにその時代を反映したものであったか、これは非常に興味のあるところである。専門家の研究があるだろうか。
ドクターキャピタルの説明を聞くと、なるほどそういうものかと思う。かといって、YouTubeでさらに見てみようとまでは思わないのだけれど。
以前、「映像の世紀バタフライエフェクト」で、テレサ・テンをあつかっていたことがあった。このときに大きく取りあげていたのが、「月亮代表我的心」であった。この曲は、日本における歌謡曲歌手ではない、テレサ・テン、あるいは、鄧麗君といった方がいいだろうか、の別の側面をあらわすものである。おそらく、「アジアの歌姫」ということばは、この曲にこそふさわしいかもしれない。
テレサ・テンの歌った歌を、日本だけではなく、台湾や中国をふくめて、ひろく素直に聞ける時代は、もうちょっと先のことになるのかもしれないと思ってみる。今では、まだ、その時代の雰囲気をあまりにも強く感じさせる歌が多い。
テレサ・テンのCDは持っているが、それよりも、由紀さおりがカバーしたCD『あなたと共に生きてゆく』を聞くことの方が多い。
2024年12月15日記
名盤ドキュメント テレサ・テン生誕70年ベスト アジアの歌姫は何を歌ったのか
テレサ・テンのCDは、いくつか持っていて、WalkmanにFLACでコピーしていれてある。
好きか、嫌いかというと、好きな歌手なのだが、その歌を聴くことを好むかどうかといわれると、ちょっと微妙なところがある。番組のなかで、有田芳生が言っていたことだが、テレサ・テンが日本で歌手活動をはじめたころ、一九七〇年代になるが、このころの日本では、アジア人女性に対する蔑視があった。(番組のなかでは、言っていなかったが、そのころ、日本から韓国や台湾に女性をもとめての旅行が公然と行われていた時代でもある。)
テレサ・テンの歌う歌に共感するところは確かにあるのだが、そこに共感する自分自身のうちのなにかに対して、どこかしら違和感を感じるという感覚がある。これは、決して、理想主義的なフェミニズムからではない。フェミニズム的価値観からすると、テレサ・テンが日本で歌った曲はほとんど許しがたいものだろう。そこに描かれた女性像は、かなり旧弊な部分をひきずっている。私は、フェミニズムの価値は認めつつも、同時に、それだけでは人間というものが分からないだろうという気もしている。
テレサ・テンの歌った女性のイメージは、それまでの旧来の演歌などに歌われた女性とは、どこか違っている。それがどのようにその時代を反映したものであったか、これは非常に興味のあるところである。専門家の研究があるだろうか。
ドクターキャピタルの説明を聞くと、なるほどそういうものかと思う。かといって、YouTubeでさらに見てみようとまでは思わないのだけれど。
以前、「映像の世紀バタフライエフェクト」で、テレサ・テンをあつかっていたことがあった。このときに大きく取りあげていたのが、「月亮代表我的心」であった。この曲は、日本における歌謡曲歌手ではない、テレサ・テン、あるいは、鄧麗君といった方がいいだろうか、の別の側面をあらわすものである。おそらく、「アジアの歌姫」ということばは、この曲にこそふさわしいかもしれない。
テレサ・テンの歌った歌を、日本だけではなく、台湾や中国をふくめて、ひろく素直に聞ける時代は、もうちょっと先のことになるのかもしれないと思ってみる。今では、まだ、その時代の雰囲気をあまりにも強く感じさせる歌が多い。
テレサ・テンのCDは持っているが、それよりも、由紀さおりがカバーしたCD『あなたと共に生きてゆく』を聞くことの方が多い。
2024年12月15日記
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2024/12/24/9741741/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。